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因果応報

探してたら見つかった自分の眼鏡です。
特になんてことはない。
いつか書いたよく分からんやつ。
それでもいいなら【続きを読む】からです!
「ちょ……どういうこと?」
「あ、あの……ごめんね?」
 学校が終わって自室へ帰った瞬間、僕の日常はぶっ壊れた。
「ちーっす!お邪魔してまーす!」
「ちょ!ちょっと!」
「いいじゃん、もうばれちゃったんだし?」
 目の前で行われているのがなんなのか、僕には理解出来なかった。
「ご、ごめん……服着るから部屋の外で待っててくれる?」
「あ、うん……」
 あまりの出来事にどうようし、僕は言われるままに扉を閉めた。
「ちょっと!もう!触っちゃ駄目!」
「えぇ?いいじゃん!まだ途中だろ?」
 産まれた時から家が隣通しで、ずっと一緒に遊んでいた一つ年上の彩音ちゃん。去年までは学校が違ったから少し疎遠だったが、今年から同じ高校に通うようになってまた一緒に登校するようになった。
「今外に勇人君いるんだよ!?」
「だからいいんじゃん!」
 取り柄の無い僕とは違い、友達も多くて勉強もスポーツも出来る彩音ちゃん。年が一つ上な事もあり、いつだって僕の憧れだった。
「記念の写メ撮らせてよ!」
「なに言ってるの!?だから今は……」
「な?駄目?」
「えっと……」
 仲良くしてくれるのは幼馴染だからだと思ってた。憧れてるのは僕だけで、彩音ちゃんは僕の事を手の掛かる弟ぐらいにしか思ってないって。
「一枚だけだよ?」
「じゃあスカート捲って、パンツずらしてピースしてよ」
 お互いの家族全員で行った夏の旅行で、僕は彩音ちゃんに告白した。玉砕覚悟だったのだが、彩音ちゃんは泣いて喜んでくれた。私もずっと好きだったと、僕の胸の中で涙を流す彩音ちゃんは、思っていたより小さくて、抱きしめたら震えていた。
「こ、こう?」
「笑って!はは!いいね!」
 お互い部屋も窓越しに隣な事もあって、夜遅くまで二人で色んな話をした。将来の事や学校の事、そして二人で手を繋いで狭い隙間から星を見た。
「ちょっとスケベな顔してよ!」
「もういいでしょ?」
「もう一枚だけ!なっ!?」
「もう……」
 キスもまだだった。大切にしたかったから。憧れの人だから。なのに、彩音ちゃんは今……。
「ご、ごめん。もう大丈夫……なんだけど……」
 扉を開けて出てきた彩音ちゃんに、僕はなにも言えなかった。
「お前が勇人?はは!聞いてたよりキモいな!」
「ちょっと圭君!」
「本当の事じゃん?そうそう、お前あれだろ?彩音の彼氏なんだろ?」
 そうなのか?本当にそうなんだろうか。だとしたら今僕の部屋で行われていたのはなんだったんだ?
「えーっと!彩音はこれから俺と付き合うことになりました!残念でしたー!ひゃはは!」
「ちょっと止めてよ……勇人君の前で……」
 金髪で唇にピアスが付いたチャラい男が、彩音ちゃんのお尻を叩きながらなにか叫んでいる。
「言っとくけど俺の彩音に付きまとったら容赦しないからな?」
 首元を掴まれ引き寄せられる。僕はなんで震えているんだ?なにか悪いことしたか?
「約束しろよ、な?」
「で、でも……」
 納得がいかなくて声を出した瞬間、僕は後ろに飛んで壁に頭をぶつけていた。
「いっ……」
「大丈夫!?勇人君!」
「おい!彩音!お前どっちの彼氏だ!?」
 殴られた僕を心配して駆け寄ろうとした彩音ちゃんだったが、男の言葉に少し迷ってから後ろを向いた。
「言ってやれ、彩音」
 嫌だ、言うな。
「あの、この人は圭君って言って、この前駅前で声を掛けられて……」
「ナンパだろ?ナンパして引っかかったんだよ」
 やめてくれ。
「そ、そうなの……私の事可愛いって言ってくれて、それで少しだけお話しする事になって……」
「その日にホテル行ったよな?」
「そ!それは!」
「えぇ?行ったじゃん!」
 聞きたくない。
「そ、それは置いといて……でね?色々話す内に意気投合しちゃって……圭君お話も面白いし、色んなこと知ってるし……それに……」
「セックスが上手い!だろ!?」
「そうだけど!もう!ちょっと黙っててよ!」
「ごめんごめん」
 なんなんだよこれ……。
「勇人君の事は好きだけど、私圭君の事も好きなの……どう、する?」
 どうってなんだよ。どうするもなにも無いじゃんか……。
「お前もしかして本気なのかよ」
「だって圭君良いって言ったでしょ?」
「まあ、言ったけど?」
 早く帰ってくれよ。
「あのね?勇人君……もしよかったらなんだけど……」
「はぁ、全く仕方ねえなぁ……」
「勇人君さえ良ければ、このまま私たちお付き合い続けられないかな?」
 一瞬だけ、一瞬だけ喜んでしまった。今さっきまで自分の部屋で他の男とセックスしていた彼女から、まだ付き合っていてあげると言われたのにも関わらず、喜んでしまったのだ。
「そ、それってどういう……」
「俺は本当は反対なんだけどな?まあこいつがどうしてもって言うから仕方なくだよ」
 男は少しだけ困ったような顔して笑う。
「俺と付き合うことになったけど、お前と浮気しても許してやるって言ったんだよ」
「そうなの、圭君も許してくれるって言ってるし、もしよければなんだけど……」
 なんの話なんだ?なぜ僕が許して貰わなければならない?
「だからさ?あの……勇人君からも頼んでくれない?私とお付き合い続けたかったらだけど……」
 彩音ちゃんはこんな事を言う子だったか?控え目で、絶対偉そうな言い方なんてしない子だったはずだ。なにが彩音ちゃんを変えたんだ?こいつ?こいつが変えたのか?
「どうなんだよ、彩音と付き合いたいの?どっちだよ」
「勇人君……」
 そこから先の事はよく覚えていない。二人がどうやって帰ったのかも、いつの間にベッドで寝ていたのかも。ただ一つ覚えている事は、僕があいつに頭を下げた事だけだ。

「じゃあ勇人君、明日また迎えに行くね?」
「う、うん……」
 隣通しの家。別々の玄関に向かって進んでいく。登下校中やお昼ご飯はいつも一緒。今まで通りの二人。僕は前みたいに話せないけど、その分彩音ちゃんは手作りのお弁当を作ってくれたり、色々話掛けてきてくれたりと気を使ってくれている。だけど放課後僕が彩音ちゃんとデートする事は無い。理由は簡単だ。
「あひいいい!んあぁぁ!ちょ!激しすぎるよっ!」
「ははっ!隣の童貞のオカズになってやるんだろ!?もっと良い声で鳴けよ!」
「んひいいい!」
 彩音ちゃんは放課後、毎日自室であの男とセックスをしている。僕はそれを声だけ聴いて、何度も何度も自分で処理した。
「はぁ疲れた。おい彩音、舐めて綺麗にしろよ」
「うん」
 さっきまで僕と話していた口で、あいつの物を舐めまわしている。
「じゃあ暇つぶしにマンズリ体操しろ」
「そ、それ恥ずかしいよ……」
「好きだろ?恥ずかしいの」
「うん……そうだけど……」
「じゃあやれ」
「しょうがないなぁ……マンズリ体操第一!んっ!はぁ!ひぃ!」
「ははっ!馬鹿みてえ!」
 僕と繋いでいた手で卑猥な事をしている。
「その顔だけあいつに送ってやろうぜ!」
「ちょ!ちょっと!」
「おい!勝手に止めんなよ?分かってるよな?」
「うぅ……」
 送られてきた画像に映る彩音ちゃんは、だらしない顔で笑っていた。僕の知らない顔だ。
「また立ってきたからやるぞ?今度はお前が動け」
「うん」
 なんでだろう。なんで僕はまだ彩音ちゃんと付き合ってるんだ?なんの為に?

「この前ね?お母さんとケーキ作ったんだ」
「そうなんだ……」
「じゃあん!これ!勇人君にプレゼントだよ?結構手伝って貰っちゃったけどね!」
「ありがとう……」
 なにも変わらない彩音ちゃん。僕と二人きりの時は、本当に昔のままの彩音ちゃんなんだ。
「あ、ごめん電話みたい」
 中庭で二人で食べるお弁当。せっかく彩音ちゃんの手作りなのに、味は全くしない。
「あ、圭君?」
 そして僕は、彩音ちゃんからあいつの名前が出る度にビクビクする。いつ捨てられるんだろうって。
「今日?駅前で?うん、いいよ。なにするの?えぇ!?パンツを!?ちょ、ちょっとそれは……」
 二人の会話を必死に盗み聞きする自分があまりにも惨めで、学校の中なのに泣いてしまいそうになる。
「わかった、じゃあ放課後にね?」
 自分が壊れてしまいそうになりながら、それでも僕は彩音ちゃんという存在を捨てきれずにいた。

「一枚三千円なんですけど、どうですか?」
「え!?い、いいの!?」
 路地裏でサラリーマン相手にスカートを捲る彩音ちゃん。後ろから隠れて見ている僕には見えないが、サラリーマンの眼にはしっかりとそのパンツが映っているのだろう。
「こいつ俺の奴隷なんで、なんでも言うこと聞くんすよ」
「彼女でしょ?」
「一緒だろ?」
 軽口を叩きながら彩音ちゃんの頭をポンポンと叩く。サラリーマンは急いでお金を払い、彩音ちゃんはそれを受け取って脱いだパンツを渡した。
「ほら、セリフがあるだろ?」
「あ、彩音のパンツでいっぱいオナニーして下さいね?」
「は!はい!」
「よし、じゃあ最後のサービス!」
「はい……」
「うおお!」
 すでになにも履いていないはずの彩音ちゃんは、再度スカートを捲ってサラリーマンに秘部を晒した。僕も見た事が無いそこを、簡単に……。
「今度見かけたら声掛けて下さいよ、またいい取引しましょうや」
「う、うん!ありがとう!」
 男はヘラヘラしながら彩音ちゃんから金を巻き上げる。
「じゃ、これで飯でも行こうぜ?」
「そうしよっか」
 彩音ちゃんはあんなことする子じゃないんだ。むしろああいうのは一番嫌いだった。
「あ、お前の便所顔見てたら小便したくなったわ」
「こ、ここでするの?」
「速くしろって」
「うん……」
 男の排尿を口で受け、制服を汚して笑うその人を、僕はまだ本当に好きなんだろうか。

 どんどんおかしくなっていく彩音ちゃん。それでも僕は彼女との付き合いを止められなかった。男の趣味で髪を染め、メイクもケバくなり、私服も露出度が高い物になっていく。
「本当に高校生なの?」
「部屋見たら分かるでしょ?ほら制服だよぉ?」
「ほ、本物!うはぁ!」
 僕の部屋の窓の向こう側、彩音ちゃんの部屋は今やヤリ部屋になっていた。あいつの命令なのか、毎日他の男を連れ込んでセックスをしている。
「写真撮る時は顔が分かんないようにしてね?」
「じゃ!じゃあパンツ被ってよ!」
「え?パンツ?」
「そう!その染みパン!」
「これ汚いよ?こ、こうかな?」
「ふはっ!超エロい!」
 僕はどんどんエスカレートしていく行為を止められない。それでも僕は今でも、彩音ちゃんの彼氏なんだろうか。
「出すよ!?本当にいいの!?」
「うん!中で出していいよ!ピル飲んでるから!」
「うおおお!」
 その声を聴いて何度もオナニーを繰り返す。そして僕は泣くんだ。毎日毎日。

「ダブルデートとか新鮮だな!ははっ!」
「これってダブルデートなの?」
 あいつと彩音ちゃんと僕で海に行くことになった。僕がパラソルを立てたり、ご飯やジュースを買ってきている間に、二人は楽しく海で遊ぶのだ。
「おい彩音、あのデブ親父ナンパして来いよ」
「えぇ?でも今日は勇人君もいるし……」
「勇人も見たいよな?」
「ぼ、僕は……」
「あぁ?俺が見たいって言ってんだよ、空気読め」
 腕を振り上げられるだけで僕は簡単に頷く。その度に彩音ちゃんは恥ずかしい事を何度もやらされた。
「あんん!凄い!おじさんのチンポおっきい!」
「うへへ!」
 岩場の陰でセックスする二人。あいつはそれを覗き、僕は見張りの為に立たされた。
「あの中学生の団体の目の前でポーズな」
「うん……」
「勇人はあそこまで全力で泳いで、帰って来れたら見ていいぞ」
 僕がいない間、彩音ちゃんは中学生の目の前で股を開いて屈伸したり、胸を左右に揺らしながら口でボインボインと言わされたり、色々と辱めを受けたらしい。
「最後全員にマン毛配った時の顔最高だったぜ!?お前も見たらよかったのに!」
 僕は言われた通りに全力で泳ぎ、結局帰って来た時には全て終わっていた。
 顔に男性器の跡が残る様に日焼けさせられたり、共用便所の扉を閉めずに衆人観衆の中排泄したり、最後には女子更衣室の中を盗撮までさせられていた。
「本当お前面白いわ!最高の奴隷だよ!」
「もお!彼女でしょ!?」
 腕を組んでイチャイチャしながら歩く二人。僕は荷物を持ってそれを追いかける。何のために?なんで僕はこんな事をしてるんだ?
「だってそれがあなたの罪だから」
「……え?」
 誰かに話しかけられた気がして後ろを向くと、そこには知らない女性が立っていた。そして僕は、その顔を見た瞬間全てを思い出す。
「あ、あぁ……そうだよ、そうだった……」
 僕を全く相手にしてくれない彩音ちゃんを、無理矢理催眠術で言いなりにして、それで……。
「はは……そっか……」
「思い出した?じゃあ、行きましょうか……」
 その女性の言葉には逆らえない。だって僕はこいつに負けたんだから。
「それにしても酷いな。なにも彩音ちゃんをあんな奴とくっつけなくても……」
「元々はそういう運命だったのよ」
「はっ……マジかよ。じゃあ僕に操られてても一緒じゃないか」
「そんな事は無いわ。だってあの子、今は本当に幸せそうだもの」
 今すぐ全部無茶苦茶にしてやりたい。でももうそれは叶わない。
「もういいよ、殺せ」
「まだそんな事言ってるの?死なせるわけないじゃない」
 そうか、死ぬことすら……。
「くそ……糞があああああ!」
 こうして僕は闇に飲み込まれていった。捻じ曲げた運命の代償として、一生死ねない苦しみを味わうことになる。
[ 2016/06/28 03:30 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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