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ダウト!?

リクエスト小説の新作です!
今回はお正月Verです!
壊れちゃったラジオ様は本当にマメです!
僕が全然用意してなかったお正月ネタを考えて下さいました!

お正月特別Verとして、本編とはちょっと違う作りになってます!
解りやすく言うと、最後蛇足が長々付きます!
エロしか興味ねえよ。
って方は、あの人が出てきたあたりで止めとけば正解です!

ではでは皆さんの新年が、明るくエロい年になるようお祈りしてみたりしますね!
本編は【続きを読む】からです!




二十歳のころに、ギター片手に東京へ飛び出してきて早や十年。
未だに泣かず飛ばずどころか、もう八年はギターを持ってない。
初めの二年はなんとか若さでやってきたが、組んでいたバンドが解散してから急に冷めてしまい、その後は毎日をただ自堕落に過ごすだけ……。

ふとカレンダーに目をやる。
あぁ、変えてなかった。
三年前の六月じゃん……。

気を取り直して携帯を見ると、今は12月31日の朝方。
昨日働いていたコンビニをクビになったので、今年の年末年始は気楽に過ごせそうだ。

たまには、母さんと父さんに挨拶にでも行くかな……。
去年までは引け目もあって、絶対に出なかった考えも今年は違う。
今年の一月一日、二人は病気で逝っちまった。
二人仲良く同じ日に死んだんだと。
まったく、目出度い日になにやってんだか。

結局葬式にも行かず仕舞いで、後で親戚から代わる代わる電話でお説教くらったのはもう一年前か。
最後に俺に会いたかったって言ってた、って言ったのは誰だったか……。

ま、昔を思い出しててもしょうがない。
行動あるのみだろ?
って俺が言うのも変な話だけどな。

俺の故郷は東京とは似ても似つかない山奥で、バスさえ走って無いような場所にある。
唯一村へ繋がる道が、細く古い橋で出来ているため、わざわざ村へ来る人なんていない。
ミステリーファンが聞いたら涎垂らして喜びそうな絶好のスポットだ。

実際閉鎖的な村で、村の人間以外が入るのを極端に嫌ったり、変な昔の風習が残っていたりと特殊な面も多い。
俺が子どものころ、どっかの大学の教授が研究に来て、村中の攻撃で追い返されたのを覚えている。
俺が今行っても同じことをされそうで怖いのもあるなぁ……。

まぁバイクを飛ばせば一日ありゃあ着くだろう。
休憩しながらゆっくりのんびり行って、夜ぐらいに着けばいいんじゃないか?
実家は残ってるだろうから、適当に入って寝りゃあいいし。
汚くて寝れそうになかったら……そん時考えりゃあいい。

マイペース、マイペース。
ゆっくりのんびり行けばいいさ。
どうせ俺なんてなにやっても駄目なんだしよ。
急いでもしかたないってもんよ。


……いやいやいや!
マイペースが過ぎた!
最後の休憩にと思って立ち寄った、サービスエリアのベンチで寝ること8時間!
とっくに年なんて明けてるし!
てか死んじまうだろ!
くっそ寒い!
てかもうすぐ夜が明けるよ!


ふぅ……。
なんとか着いたか。
このボロい橋を渡れば村に着く。
懐かしいな。
なんにも変わってねえじゃねぇか。
てかさらにボロくなってねぇか?

俺はバイクをその辺の茂みに隠し、橋を渡る。
バイクごといったらまじで谷底に落ちそうだからな。
パクられたり……しないよな?
まじでそれはシャレになんないわ。

くだらない心配をしていたら初日の出が昇って来た。
東の空が明るくなって、夜になれた目が一瞬強張る。


ふぅ、なかなかいいもんだな。
ん?この家昔めちゃくちゃ怖いばばあが一人で住んでた家だ。
さすがに死んじまったかなぁ?

「わぁーーん!ごめんなさぁーい!」
「ほんどにおめえってやづわぁ!いい年してお漏らしだぁ!?しかも大きい方まで!」
「だって夢に出て来たんだもぉーん!」
あああん?子どもの声?あのばばあ孫が出来たのか?
村を出た子どもが帰って来てんのか?

「っんな!」
ひょいっと塀から頭を出して覗くと、そこには下半身丸出しの幼女が、自分のお漏らししたであろう布団を干している。
しかも話の通り、おしっこだけじゃ無くうんこまで漏らしたようだ。
布団が茶色くなっている。
てかあの子拭いたのか!?
下半身もうんこ塗れですけどおお!?

「おばあちゃん!せめて洗ってから干そうよ!意味無いじゃん!」
「なぁに言ってんだぁ!?初夢で漏らした布団は、お天道様にお見せして、許しを請うのがこの村の仕来たりだぁ!」
「うぅ……そんなの酷いよぉ……」
そう言いながらも渋々言う通りにする幼女。
え?そうなの?
そんな仕来たりあった?
まぁ、普通あんまり遭遇しないケースではあるからなぁ……。
しかし眼福眼福。
幼いとは言っても、年の頃ならランドセルを卒業するぐらいの女の子が、自分のお漏らしした布団を下半身丸出しで晒して、許しを請うなんてなかなか見れるもんじゃない。

「お天道様ごめんなさい!私は初夢で、道で糞尿を垂れ流して絶頂する夢を見て!この通り実際にもお布団を汚してしまいました!」
「あんらまぁ!おめえさ!そんなふしだらな夢見てたでか!」
「はいいい!夢でも実際にも逝ってましたああ!今でもおまんこ濡れてますうう!」
「こんの色ぼけがぁ!反省せええ!」
「あひいい!叩かないでええ!」
拝むようにして許しを請う幼女のお尻を、容赦なく布団叩きで叩きまくるばばあ。
やばいなぁ……。
俺がおかしくなったか、あのばばあがボケておかしいのか……。
携帯でムービーを撮りつつ見ていたが、ばれても面倒だ。
この場は大人しくこのへんで立ち去るか。


さっきのはインパクトあったなぁ。
あれ見れただけでも帰ってきたかいがあったわ。

「ぬひいいい!」
「いいぞお!もっと気合い入れてやれえ!」
ん?騒がしいな。
朝っぱらからなにやってんだ?
家の前でなにやらやっているようだ。

お、餅つきか。
ちょっと隠れて見ていくかな。

ここ誰んちだっけ?
ん?あれシモヤンじゃね?
うっわ!まじでシモヤンだ!
まだ村に残ってたのかよ!

懐かしいなぁ。
シモヤンとは小中ずっと一緒のクラスだったもんな!
まぁ、小中一つの校舎だし、クラスも一つしか無かったけど。
しかも小中合わせて一つだったよな……。
そうかぁ、ここシモヤンちじゃん!

しっかしいい身体してんなぁ!
ムッキムキじゃねえか!
黒くテカッてやがる!
応援してねえでお前がつけよ!

「おう!ミキエ!もっと腰入れろお!」
「はひいいい!」
ミキエ?
ああ!ミキエなっ!
確か一つ年下のミキエと結婚したんだっけ!

この村人は少ないけど可愛い子多かったもんなぁ……。
その中でもミキエはかなり可愛かった。
グラビアモデルみたいな身体してて、唇もプクッとしててなぁ。
若いころは何回もあいつで抜いたっけ。
それが今やシモヤンの奥さんかぁ。
どれどれ?今はどんなマダムになってんだ?

「ぬひいいいい!」
……はい?

「うえええええええ!?」
「おう?誰だぁ?」
「あ!ああ!?」
「お?ショウタじゃねえかぁ!?」
「え?ショウタさん?」
「ああ、あああ……」
なんだ?
なにやってんだこいつら?

「ひっさしぶりだなああ!ショウタ!帰ってきてたのかぁ!?」
「お、おおおお!おおう!」
「ショウタさん久しぶり!ほらっ!ミヤも挨拶しなさい?」
「は!初めまして!」
「これ俺たちの娘だ!初めて見るだろ!?」
いやいや、なに普通に挨拶してんの?
俺がおかしいの?
だって、こいつら……。

ミヤと呼ばれた子はさっきの子よりちょっと年下っぽく、顔はミキエに似て可愛い。
当のミキエも俺の一つ下には見えないぐらい若いし……昔より美人だ。
ミキエはまた一段と乳がでかくなったか?
Hカップぐらいあるんじゃないか?
ミヤもちゃんと遺伝しているようで、その年にしては大きいほうか……。

あぁ?久しぶりに会った級友をどんな目で見てんだって?
いや!だってこいつら全裸だぞ!?
しかもミキエはケツの穴に杵を入れてるし!
さっきまでこれで餅ついてたってのか!?

「今丁度餅つきしてたんだよ!あれ?お前なに不思議そうにしてんだぁ?もうこの村の餅つき忘れちまったかぁ?」
「酷いわねぇ?ショウタさん、東京に染まっちゃった?ミヤ、教えてあげなさい?」
「はぁい!あのね?まず女の人がお尻の穴に杵を突っ込むの!それで腰だけを使って餅をつくの!それでね!?もう一人の女性が、自分のおしっこを手につけて、お餅を捏ねるの!たまにうんこも混ぜつつ量を増やすのがポイントなの!」
「はっは!お前もさっき覚えたばかりじゃねえか!なぁに自慢げに説明してんだぁ!?」
「もおー!お父さんのばかぁ!言わなきゃわかんないでしょ!?」
「ふふっ!ほらほら!早くしないとお母さんの腰砕けちゃうわよ?」
「そうだね!じゃあいくよ!?」
いやいや、いくないくな。
じゃあなにか?
そのやたら黄色いなぁと思ってた水は、この子のおしっこで?
あれ?餡子先に入れるの?とか思おうとしてたのはやっぱりうんこなわけ?

「うんこ!」
「しっこ!」
「よおおし!大分掛け声も出るようになってきたな!」
「もうツッコんでいいですかあああ!?」
「おう?なんだ?おめえ人んちの嫁見て発情すんのはいいけど、突っ込みてえってのはなぁ?」
「ケツの穴は今塞がってますし……」
「ミヤのまんこに入れるの?」
「ちっげええよ!なに!?ちょっと見ない間に人ってこんなに変わっちゃうの!?なんでそんなクレイジーテイストになってんの!?エッチなオヤシロ様にでも祟られてんの!?」
「オヤシ?なんだ?この村の伝統だろ?まぁおめえは村から離れてたから、忘れるのも無理無いが……」
「忘れれねえよ!?こんな風習あったら毎年帰ってきてるわ!てかこの村で可愛い嫁貰って楽しく暮らすわボケッ!」
「あら、ショウタさん、嫁さがしに来たの?」
「そりゃあいいや!男手が少なくて困ってたんだ!おめえが帰ってくるなら話は早え!」
「話の一部しか聞かないってのはありゃ漫画表現の一つであって!実際に行われるものとは違うと思います!」
「おじさんおもしろいねぇ!」
「子どもがなついちまったよ!」
なんだこれ……。
いや、久しぶりに見たミキエが超美人になってて?
その裸どころか、変態プレイまで見れたのはいいよ?
でもなに?
俺なんか間違ったルート入った?

「おう!餅つきももう終わるし、ちょっと家寄ってけよ!積もる話もあんだろ!?」
「そうね!それがいいわ!このお餅一緒に食べましょ?」
「ミキ四つ食べるー!」
「もう!そんなに食べたらお昼ご飯入んないわよ?」
「はっは!ミキは食べざかりだから大丈夫だよな!?」
だめだ……。
こいつら完全にイカレてやがる。
ここにいたら本当にこれ食わされるぞ?
いや、ちょっと喰ってみたいかも……。

「ってんなわけあるかああ!」
俺は一目散に逃げ出した。
とりあえず遠くに行かなくては!

「なんだぁ?あいつ」
「急いでたんでしょ?」
「お母さん!お餅固まっちゃうよ!?」
「はっ!そうね!ぬひいいい!ふんっ!」
「うんこ!」
「もぎいっ!しっこおおお!」
遠目で見てもあいつらやばいな……。
写メぐらい撮っときゃよかったか。
ちっ!損した!


お?公園か、懐かしいなぁ。
ただ広いだけで特になんの遊具も無い公園だけど、昔はここでよく遊んだよな。
鬼ごっこだけで日が暮れるまで遊べるって、子どもの特権だよなぁ。
お、子どもが凧揚げしてるよ。
和むわぁ。
さっきのが嘘みたいに和む。
今度はちゃんと服着てるし。

それにしてもあの子も可愛いなぁ。
昔からそうだけどこの村は本当に女の子のレベルが高い。
あの年じゃあもう村の学校には通えないか?
町の学校の制服だよなぁ?
でもあの年の子がするには、凧揚げはちょっと子どもっぽくないか?

「ハナぁー!?大丈夫ー!?」
おお?連れがいんのか?
空見てしゃべってるけどどこにいんだ?

「大丈夫ー!気持ちいいよおー!うひいいい!とっ!鳥がっ!」
「ひゃはは!そっからが面白いところなんだからねっ!」
「ぐひいいい!クチバシ突っ込んじゃらめえええ!」
嫌な予感しかしないけど上を見上げる。
うわぁ、いるよ……。
凧に忍者みたいに張りついた全裸の幼女が……。
しかも鳥にケツの穴突っつかれて悶絶してる。

「ほらっ!早く降りておいでよ!」
「でも怖いよおお!ぬぎいい!グリグリしちゃ駄目えええ!」
「早くしないと痔になるよおお!?」
「ううううう!っひゃいいい!」
「うっおおおお!」
全裸の幼女が突然凧から飛び降りた!
急いで受け止めようと落下地点に走る。

「まにあええええ!」
「え!?きゃあああ!」
「ぐぎいいい!ぐおおっ!」
「え?」
落下し始めた幼女は途中で股間からパラシュートを開いてユラユラ降りて来る。

「びゅじいいい!グリがあああ!グリぢゃんどれじゃうううう!」
「そんなんで取れないって!てかあんた誰?見慣れない顔ね?」
「あ、ああ?お、おっと」
俺は落ちてきた幼女が地面に着く前にキャッチする。

「ひゃあああ……ありがとぉ、おじさぁん」
「ちょっとぉ、私の妹に触んないでよね?変態!」
「俺が変態ならこの場には変態しかいねえよ!?」
「なに言ってんの?」
「いってて……。ハナたち凧揚げしてただけだよ?」
「これは凧揚げじゃねええよ!」
「じゃあなに?」
「なにって……なんだよこれはあ!?こっちが聞きたいわ!」
「ねぇ、ツボミ姉ちゃん、おじさん凧揚げ嫌いな人なんじゃない?」
「あぁ、トラウマ的な?」
「ちげえええ!」
「ああ、そんなになるまで?ごめんなさい。私たち知らなくて……」
「急に潮らしくなるなよ!なに子どもが気い使ってんだよ!のびのび生きろよ!いや!のびのび生き過ぎだよ!」
しょぼんとする二人。
ついつい妹の全裸に目が行くのを必死に耐える。

「言ってることがちぐはぐ、これはちょっと危ないかもね?」
「ツボミ姉ちゃん!私AED取ってくる!」
「じゃあ私はお医者さん呼ぶわ!あなたは胸部圧迫と人工呼吸を!」
「よおおし!まかせとけっ!って、百歩譲って胸部圧迫も人工呼吸もセルフ仕様かっ!てかAED万能か!?なんにでも効くと思うなよ!?」
「大丈夫、ちゃんと自分が対象だって認識は出来てるみたいだわ」
「よかった……一時はどうなるかと……」
「この村には心休まる場所は無いのかあああ!」
自分の半分ほどしか生きてない娘二人におちょくられて、泣きながら逃げ去る俺。
どこか!どこか心休まる場所は!?


走った先にあったのは学校だった。
うわぁ、ここも変わってねぇ。
お、あの靴箱も変わって無い!
へぇ、これってこんなに小さかったっけ?
俺はさっきまでのことも忘れてつい物思いに耽る。

「せーのっ!」
「ひゃああ!ってて……」
ま!まずい!誰かいる!?
俺は咄嗟に校舎の中に入る。
声はどうやらグラウンドからのようだ。
窓からこっそり様子を見る。

「何回転ぶの?またあんたの負けね!」
「うっさいわね!あんたが返しにくい場所に打ってくるからでしょ!」
「返すもなにも当たって無いじゃない!」
もう、慣れよう。
落ち付いて分析しろ。
ランドセル戦士後期であろう幼女たちが遊んでいるあれは、恐らく羽根つきであっている。
羽子板はまんこに入っていて、両手は後ろで縛ってあるが、聞けば十中八九羽子板だと言い張るだろう。

「じゃあまた罰ゲームね!」
「ええええ!?私まだ一回も勝って無いのにいい!」
「あんたが下手なのが悪いんでしょ!?」
「うっわ!くっさ!あんた本当に普段なに食べてんのよ!」
「あんたのうんこも混ざってるでしょ!?」
それで片方の子の身体に描かれた落書きは、うんこで描かれたことが今判明した。
お尻に突っ込んだ筆で描いているらしい。

「うんしょっ!ほら!顔だしなさい!」
「えぇー!?顔ぉー!?」
「今まで残しておいてあげただけでも感謝しなさいよ!」
「はぁーい」
うんこ塗れの幼女が顔を突き出す。
そこにお尻の筆にたっぷり軟便をつけた幼女が、尻文字を作るように腰を動かして絵を描き始める。

「よぉし!出来た!」
「ねぇー!なに描いたの!?」
「ないしょっ!」
両ほっぺに一文字ずつ描かれた文字は『す・き』。
素直になれないあの子なりのやり方だったのか。
家に帰って知るだろう、あの子の思いを。
喧嘩してるように見えて、じゃれて遊んでいるだけなんだな。

……って分析できるかあああ!
よし。
今度は声に出さなかった。
ばれなきゃいいんだ、ばれなきゃ。


「きゃははははっ!」
っな!盲点だ!
後ろの教室に誰かいる!?
咄嗟に隠れるが、扉が開く様子は無い。
恐る恐る廊下から教室を覗く。

「もう真っ赤じゃん!やめる?」
「まっだまだ!私今年こそヨウコに勝つんだから!」
「私は強いよぉー?」
ミヤと同い年ぐらいの幼女が三人正座している。
真ん中の子は紙のようなものを持ってただ座っているだけだ、服もちゃんと着ている。
だが両端に向かい合って座っている子達は全裸の上に身体中落書きだらけだった。
しかも所々落書きの上が赤くなっている。

「もう全身真っ赤なんじゃない?二人とも回って見てよ!」
真ん中の子がそう言うと、二人はゆっくりその場で回転した。
身体には様々な文字が書かれていた。
それもさっきの羽根つき幼女達の落書きとは違って、名称を表しているようだ。
しかも書かれた文字は『がばまん』や『激臭肛門』など、悪意に満ちている。

「じゃあいくよ?脇あげりゃ、惨めに伸びた『剛毛ワキガ』」
真ん中の子が紙を読み上げ始めると、中腰になって股を広げる幼女達。

「ひゃいいいい!」
パチンっ!
と大きな音が鳴るほどに自分の脇を叩いたのは右の子だ。

「ああ!脇はむずいわ!」
「いったあ……まぁ私があげなきゃ叩けないしね……」
本当に惨めなほど剛毛な脇毛だ。
眼のぱっちりした可愛い子で、クラスのオシャレなファッションリーダー的な感じなのに……。
脇も赤くなっている。
こうやって全身赤くなったのか。

「次ぃー!自分から、引っ張り伸ばした『長乳首』」
またもや中腰になる。
これはスタートポジションなのか。

「はいっ!」
「ぎひいいい!」
パチンっ!
今度は右の子が左の子の乳首を平手打ちした。
その後でタイミング遅く自分で自分の胸を強打し、悔しそうな顔をする左の子。
『長乳首』と書かれたそこは確かに長く伸びていて、あまり無い乳には紅葉が出来ている。
この理知的な幼女が、自分で引っ張って伸ばしたと言うのか?
赤い色っぽいメガネが印象的で、この年にしてお姉さん的な雰囲気を身にまとうこの子が?

「どんどんいくよぉー?便器でも、なんでも舐めます……」
「ひゃあい!」
「うわっ!はやっ!」
メガネの子が舌を出して自分の顔面を平手で強打する。
メガネがずれているが、出した舌には『汚物用』と書かれている。

「これは難問だからね!『汚物用』だけじゃ解んないから、上の句から覚えとかなきゃ!」
「つってもあんたの舌なんだから、あんたのタイミング次第じゃん!」
「まぁまぁそういうゲームだし、次いくよ?誰にでも、無料で貸します『オナホール』」
「そこだぁ!」
「ぎゃひいい!」
今度は右の子のまんこに書かれた『オナホール』が叩かれる。
いや、ただ叩いただけじゃない?

「むひいいい!ぬいてえええ!」
「もう降参しちゃえばああ!?ほれほれ!」
「いやあああ!クネクネ動かしゃないでええ!逝っちゃううう!」
「逝っけえええ!」
「いぐううううう!」
どうやら指を入れられていたらしい。
絶頂に達した幼女は後ろに倒れ、ピクピクして余韻を楽しんでいる。
もうこうなったら俺に出来るのはオカズ集めぐらいしかない。
動画の撮れ高もそこそこいったし、ばれる前に離れよう。


ん?隣の教室でもなにかやってる?
覗いてみるとそこは職員室だった。
先生らしき人が集まってなにかやっている。

「先生!もう少し右!」
「いや!左だよ左!」
「ええぇー!?どっちですかぁ?」
年のいった汚らしい男どもの視線の先には、女性の先生が目隠しをして腰をクネクネ動かしている。
下半身は裸で、お尻の下には副笑いが置いてある。

「こっちだよこっち!」
ぺちっ!
「きゃあ!痛いですよぉー!」
明らかなセクハラ、いやそれ以前の蛮行が行われている。
女性先生はかなり若い。
二十歳ぐらいか?
てか本当に先生か?AV女優じゃないのか?

「先生そこそこ!」
「ここですね!ん!」
ぷーー!

「ひゃはは!動いた動いた!」
「ちゃんと目がいいところに行きましたよ!」
なんとこいつらはおならで副笑いを完成させようとしているのか。

「でもこんどは鼻も動いちゃいましたよ!」
「次は右です!」
「左だ左!」
ぷっ!
「みぃぎ!」
ぷひっ!
「ひだりっ!」
次第にそれは手拍子になっていき、ただ目隠しをして下半身を丸出しにした女性が、お尻を左右に振りながら、たまに屁をこいているだけになっていく。

「もうちょっと上ですかな?」
「いやぁ!下でしょう!」
「上!」
「下!」
「上!」
そのペースは速く、ただ腰を上下に揺らして男を誘っているようにしか見えない。尻の肉もタプタプ揺れている。

「上!」
「上!」
「下!」
「下!」
「左!」
「右!」
「左!」
「右!」
「B!」
「A!」
「びーえーってなんですかぁーー!?」
当然の疑問です。
それでも女教師は必死に腰を動かす。
おっさんたちは調子に乗ってまんこに舌を当ててそのまま前後に動かさせたり、バイブをまんこに入れて机に置き、その上で上下左右にコントロールして逝かせたりしていた。
最後に全員でお尻に精子をぶっかけてから、目隠しを取らせる。

「もぉー!途中から副笑い関係ありませんでしたよ!?」
っな!あいつもしかして!

「まぁまぁ、お尻の空気が無くなってましたからな!」
「じゃあまた追加の空気を入れますぞ!?」
「……はい」
しぶしぶお尻を突き出し、ケツの穴にポンプを入れられ空気を注入される。

「ひぐぐぐぐ!もう無理いいいい!お腹いっぱいれふうう!」
「まぁそう言わずに!」
「そうですよ!ハルコ先生!」
「ぬひいいい!」
舌を突き出して白目になるそいつは、俺が村を出ていく時最後まで泣いていたあのハルコなのか?
当時は確か十歳か……。
正真正銘の二十歳だったんだな。
あの可愛いハルコの面影はバカ面で無くなっている。
鼻水まで垂らして嬉しそうにオヤジたちのおもちゃになるハルコなんて、俺の知っているハルコでは無い。
もう村から出よう……。
携帯で撮っていたムービーを停止し、その場を離れようとする。

「保健室ではもっと面白い遊びをしてるそうですぞ!?」
「ああ、メリケンからお出でなさったルースさんですな!?」
「ああ!佐々木さんの嫁さんですか!」
「佐々木さん、50手前なのにあんないい奥さんもらっちゃって!」
「なんでもルースさん、29歳らしいですぞ!?」
「なにいい!?あんないい身体でしかも29歳!?けしからん!」
「そうそう!だから今は日本の文化を教えるために、保健室でお勉強らしいですぞ!」
「保険医も大変ですなぁー!」
よし、もうちょっといよう。
佐々木?ああ、あの先生か……。
俺の時にもいたなぁ、あの臭くて禿げた先生の奥さんならレベル低めだな。
でもちょっとだけ、ちょっとだけ見てみようか?


保健室はここだな?
うーん?
あれは……。
裸の白人さん!
なんて爆乳だ!
メリケンすげえええ!
ミキエなんて足元にも及ばねえ!
小振りのメロンならあれぐらいじゃねぇ!?
ほんで顔もすっげえ美人じゃねえかああ!
ハリウット女優かっ!
あのジジイ相当あこぎな商売して金稼いでたな!?
そうでもないとあのレベルは物に出来ねぇだろ!?

「ルースさん!日本にはコマという面白いおもちゃがあるのですよ!」
「コマ?ナンデスカ?ソレハ?」
おう、思ったより片言酷いな。
絶対恋愛結婚じゃないことだけはわかったわ。

「まぁやってみるのが一番ですよ!そこに寝て下さい!」
「コウデースカ?」
「それで足をこうしてぇ」
「ホワァット!?」
「まぁまぁ、異文化コミュニケーションです」
まんぐり返しの格好にされるルースさん。
おっきいおっぱいが膝で潰されて窮屈そうだ。
おお!髪と一緒で下の毛もブロンドなんだな!
ケツもデカイが穴は綺麗なんじゃないか?

「じゃあいきますぞ!?」
「おお!コマ名人の下谷さんがいきますか!?」
「日本人の技を見せてやるぅ!」
そう言って下谷先生(元担任)が意気揚々と回し始めたのは、やけに軸が長いコマだった。
そのコマをいったん手で受けて、肛門の上に持ってくる。
ま、まさか……。

「くらえええ!」
「のおおおおおおお!」
高速で回転するコマをケツの穴にそのまま落した。
しばらく回転して止まるコマ。
ルースさん涙目だ。

「痛かったですか?次はもっと面白いコマをお見せしましょう!」
「モウイイデエス!」
「そう言わずに!日本が世界に誇る技術!地球ゴマですぞ!」
「これはまた懐かしいものを」
「二十年前はこれが村では大ムーブメントを起こしましたなぁ」
悪かったな!ブームが来るのが大分遅いんだよ!この村は!

「いきますぞ!?」
まんぐり返しのまま、ルースさんの足を開かせて、豊満な胸と乳首を露出させる。
下谷先生(恩師)はどんなに鋭利な角度になっても、どんな細い所でも回る不思議な地球ゴマを、ルースさんの乳首で回し始めた。

「どんどんいきますぞ!?」
調子に乗って逆の乳首と、クリトリスの上でも回す。

「イエエエス!イエエエス!」
ああ、ルースさん気に入っちゃったのね?

「キーピッタップ!ベイベー!」
白熱してんなぁ。
なんかAV見てるみたい。
あ、止まった。

「ノオオ!ドンストップ!」
「おやおや、満足できませんか?」
「おねだりですねぇ?」
「では全員でコマを回しますか」
「カモオオオンン!」
ノリノリですやん。
仰いでも尊くなくなったおっさんたちが、一斉に地球ゴマを回す。
てかよくそんなにあったな地球ゴマ。

「イイェエエス!ラアアイイトゼアアアア!」
「止めですぞおおお!」
下谷が軸の長いコマをありえないスピードで回し始めた。
もうあれベイブレードの世界ですやん。

「くらえええ!好きものがあああ!」
「オオオオオオ!ゴオオオオオッド!」
美人な顔が台無しな無様な恰好で、行き果てるルースさん。
ご愁傷様です。
願わくばご実家に帰った時に、披露なされないことを祈ります。


もうなんかつかれたや。
お腹一杯だよ。
朝からなんにも食べてないけど。

学校を出た俺は村を出ようと歩いていた。
お?あれは神社だ……。
忘れるとこだった。
俺は両親の墓参りできてたんだよ。

何故か神社の裏にある墓地に両親は眠っているらしい。
そういやこの村寺無いしな。
でも土地余ってんだから他に作っても良さそうなもんなのに。

まぁここの神主は近くに住んでて毎日顔出してたしな。
管理するにはちょうどいいんだろうよ。
こういうとこはルーズなんだよな、うちの村。

無駄に長い階段を登りきると、そこには東京のような正月独特の人ゴミは一切無かった。
ん?いや、参拝客いるじゃん。
ってまたあいつらかよ!

そこにいたのはシモヤン一家だ。
ミキエとミヤはちゃんと服を着ている。
シモヤンが上半身裸なのは昔から変わらない。
これはバカだからしょうがない。
俺はこそこそ隠れて様子をうかがう。

三人はこれから初詣のようだ。
まずは大黒柱のシモヤンからだな?
ふむふむ、財布から小銭を取り出して?
賽銭箱に入れる。
鈴を鳴らして。
二礼して。
パンパン!
一礼。

……さすがにな?神前だもんな?
普通だよ!それでいいんだよ!
なに俺ちょっと期待して携帯構えてんだよ!
ったくよぉ……。

おお、次はミキエな?
それにしてもスカート短けぇなぁ?
よく考えたらルースさんと同い年じゃん?
あの落ち付き見習えよぉ。
全然落ち付いてなかったけどさぁ。

財布から小銭を取り出して?
おお、わざわざカバンを下に置くと。
そんで?一旦座って……一気にまんぐり返しな?
ぱんつ履いてないから毛が丸見えじゃねえか。
まんこにお賽銭詰めてぇ、詰めてぇ、詰めてぇ。
って多いなぁ、欲張りか?
まんこパンパン!と。

って!まんこパンパン!じゃねええよおおお!
俺は声に出せない悲鳴を上げつつ、しっかり携帯だけは向けている。

「おまんこさまああ!今年はいいセフレが見つかりますよう祈っております!よろしくおねがいしまんこおおお!」
アウトオオオオオオ!
祟り殺されろおおお!
ほんで普通に続くなよ娘えええ!

同じように賽銭を握りしめ、まんぐり返しになるミヤ。
幼い無毛のまんこが、これまた短いスカートが捲れて丸見えだ。
必死にお賽銭をまんこに押し込むが、ミキエのように多くは入らない。
やめろっ!無茶すんなっ!お前は頑張った!
なにか閃くような顔になり、残りをお尻に突っ込み始める。
駄目だああああ!バカの子どもはやっぱりバカだあああ!

ロリまんこさま!旧年は沢山の快感をありがとうございました!」
けなげやああああ!
望みなんてけがれたもんやない!
これが本来あるべき参拝の姿なんやあああ!
崇める対象さえ合っていればなあああ!


「ねぇ!お父さん!私おみくじ引きたい!」
「あら、いいわね!私も引きたいわ!」
「そうか?ほら、これで引いてこい」
さっきのは何だったんだって言うくらい、普通におみくじを引きに行く二人。
立ったらスカートが戻って普通に見えるが、この二人小銭まんこに入れてますからね!?
娘に至ってはケツの中まで小銭埋まってますからね!?

「えぇーっと?あ!大吉!」
「なになに?『今年は目に着く男全てから精子を絞りとると、子宝に恵まれるでしょう』か、よかったな!ミヤもお母さんか!」
「あらやだ!私もうおばあちゃんになっちゃうの!?」
「ははははは!」
当たり前なんだよ!
フリーセックスしてたらそりゃ孕むだろ!
偏差値、世紀末かっ!

「あ、私は末吉ねぇ?」
「ほー?あ、でも『常にまんこを濡らしていたら運気はよくなるでしょう。ラッキーアイテムは嫌いな奴のちんぽ』だってさ!」
「じゃあお母さんは八百屋のハゲオヤジとセックスしなきゃね!」
「なんだ?あのオヤジのこと嫌いなのか?」
「ああ、あの人?無理やり私に裸踊りさせたのよ。タダにしてやるから恵んでくださいって言いながら踊れって」
「お母さん裸になってバカみたいにオナニーしながら踊ったのに、くれたのは大根一本だけだったの!」
「しかも逝ったばっかりのまんこに突っ込まれたのよ!?酷くない!?」
「それは酷いなぁ!」
じゃあ断われよ!
金払えば済んだだろ!

「ああ、あの人にセックス懇願するの億劫だわぁ」
「じゃあ俺が頼んどいてやるよ!ミキエのことレイプしてくれってな!」
「ほんと!?助かるわ!」
「そうと決まればお母さん!ちゃんとおみくじ結ばなきゃ!」
「そうね!」
そう言うと二人はスカートを捲ってクリトリスにおみくじを結んだ。

「んき!」
「ひゃあっ!」
うまいこと結んだなぁ。
どうなってんだあれ?


「それにしても、なんであいつ逃げたんだろうなぁ?」
「恥ずかしかったんじゃないですか?久しぶりですし」
「お父さんとお母さんのお友達なんでしょ?」
「ああ、すっげえ仲良しだったんだぞ?」
「いっつも一緒に遊んでたわねぇ」
「俺とミキエとあいつと……あとおじさんとな」
「おじさん?おじさんって誰?」
「ふふっ!おじさんって言っても私達と年は変わらなかったのよ?」
「いやいや!あれはどう見てもおじさんだったって!」
「どういうこと?」
「あだ名よ、あだ名。とんでもなく嘘つきな、おじさん顔の友達がいたの……」
おじさん……。
いたなぁ、そういや。
いつも四人でバカみたいなことして遊んでた。

音楽が好きでいっつもオモチャのギター持って遊んでた俺と。
体力馬鹿で子どものころから筋トレばっかやってたシモヤン。
そのシモヤンをニコニコしながら応援していたのがミキエだったっけ。

そしておじさん。
おじさんはいつも面白い話を考えてきては俺らに話してくれた。
大抵はエロくなるから、ミキエは顔を真っ赤にさせてたけど、俺らは興味津々だった。
あとは嘘ばっかついてたなぁ。
でもそんな嘘も憎めないやつだった。


「いつか俺はジェームス小野田になるんだ!」
「お前がジェームス小野田?B.B.クイーンズの方がお前っぽいぞ?」
「シモヤン!房さんバカにすんなよ!?ぶっ殺すぞ!」
「ああ、すまねぇ……」
「でもショウタはインチキおじさん顔だよね?知ってる?インチキ顔の人って寝るとき白目向くんだよ?」
「それは俺個人の話しだろっ!?」
「ふふっ!おじさんの話は置いといて、ショウタさんはやっぱりインチキっぽいよ!」
「ミキエまでぇー!?」
黄昏に染まる神社の境内、終わらないバカみたいな夢の話。

「俺は身体鍛えてヒーローになるんだ!」
「ヒーローってなんだよヒーローって!」
「獣神ライガーみたいなってことだよねっ?」
「ちっげえよ!女にはわかんねえよ!」
「シモヤンはミキエたんのヒーローになりたいんだよ」
「ちょっ!おじさん!」
「え?どういうこと?シモヤン、どういうこと?」
「うっせえよショウタ!」
しっかり日焼けしたシモヤンの顔が、夕日に染まってか真っ赤になった。

「じゃあ私は応援してるね?」
「はう!は、はぁ!?」
「ずっと、応援してる。シモヤンの隣で」
「ば!ばっか!ずっと一緒なわけねえだろ!?」
「そんなことないよ。愛し合う二人が東大に行くと、幸せになれるんだよ?」
「おじさんは嘘ばっかりつくからな!てか意味わかんねぇ!」
「じゃあ二人で灯台行こっか!?」
「おじさん的には、そっちじゃなかったと思われ……」
ミキエは今日も楽しそうだ。
シモヤンはなぜ俯いている?

「じゃあさあ!おじさんの夢はなんなんだよ!」
「おお!ショウタ!よく聞いた!そうだな!おじさんの夢はなんなんだ!?」
「わぁ!聞きたい!おじさん!なんなの!?」
「おじさんかい?……おじさんはねぇ……」


両親の墓の前で手を合わしながら、あの日の思い出を振り返る。
あの時、おじさんはなんて言ったんだったっけ?

「ジェームスにはなれたかい?」
「え?」
振り返ると、そこには二十年前と変わらないおじさんがいた。

「おじさん?」
「ばっか、同い年だろ?お前ももうおじさんだ」
「いや……あだ名だし……」
そっと隣に座るおじさん。
俺の両親の墓に黙って手を合わせる。

「なぁ、おじさん……この村、見てきたか?」
「ん?ああ、楽しませて貰ったよ」
「ん……ああ、見たんだな?」
あのエロいおじさんのことだ、今の状況を楽しんだに違いない。

「でも今日だけだよ。たまに帰った時ぐらい、サービスしてくれてもいいもんだと思ってね」
「へ?なに?」
「こっちの話」
「それより、知ってたんだな?母さんと父さんのこと……」
「ああ、葬式出たしな。お前と違って」
「悪かったな……」
「お前らしいよ。後先考えずにバカやって、怒られんの怖くて帰って来れなくてさ」
「……」
「でもな?みんな、お前が好きだよ。シモヤンとミキエにあったか?」
「ああ……」
「二人はお前を叱ったか?」
「……いいや」
「だろ?そういうことだよ……」
おじさんは、やっぱりいつもおじさんだよ。
俺らよりなんか年上みたいな雰囲気で、全部知ってるみたいな顔して。
それで全部一緒になって考えてくれるんだ。

「おじさんの夢ってかなったの?」
「えぇ?」
「昔さ、四人でやったろ?神社でさ……」
「ああ、あれな?そりゃああの時から変わらず今も持ち続けてるよ」
「そうなの?でも俺、おじさんのだけ思い出せなくて……」
「あの時は言って無いからな」
「え?そうだっけ?」
思い出した。
あの時神社で……。


「おじさんかい?……おじさんはねぇ……」
その時サァーっと強い風が神社の方から吹き付けた。

「あがが!」
「おじさん!?」
「おい!大丈夫かよ!?」
「なに!?おじさん!顔真っ青だよ!?」
「ごほっ!ごほっ!はぁはぁ……平気、もう大丈夫だよ……」
「本当か!?」
「いちよう医者に見せに行こうぜ!?」
「いや、本当に大丈夫。はは……嘘だろ?」
「へ?」
「なにが?」
「いやいや、こっちの話……」
それからしばらくして神主が来て、俺らは追い出されたんだった。


どちらともなく歩いてきたら、そこはあの日の境内の石段だった。

「あれからしばらくして、おじさんはいなくなったんだよな」
「そうだったよねぇ」
「あの日……やっぱなんかあったんだろ?」
「ショウタは……いつもは鈍いくせに……」
「なんだったの?」
「教えないよっ」
「なんだよ!気になんじゃん!」
「ショウタにはおじさんの嘘は効かないから……」
「ん?ああ、おじさんの嘘はすぐ見抜けるな。だからなに?」
「だから……内緒……」
「なんだよ……」
「代わりにさ、おじさんの夢……教えてあげよっか?」
「おお、聞いてやってもいいぞ?」
「じゃあ、おじさんが言ったら、ショウタも言ってね?」
「俺言ったじゃんあの時、てか覚えてんだろ?ジェームス……」
「もう一回、今のショウタの夢、聞かせてよ」
「……わかった」
ふっと後ろに気配を感じる。

「面白そうなことしてんじゃねえか」
「私達は仲間はずれ?」
「シモヤン……ミキエ……」
「やぁ、この村はもう普段通りだね」
なんだ?おじさん、今嘘ついた?

「ふふっ、なに言ってるの?」
「ずっと俺らは普通だぞ?」
「そうだった」
相変わらずおじさんの言ってることは、訳がわかんねぇ。

「それより夢の話、聞かせてもらったぞ?」
「盗み聞きかよぉー」
「いいじゃない、私達も聞きたい!ねぇ!いいでしょ?」
「じゃあお前らも今の夢言うんだぞー!?」
「ショウタさんはすぐそうやってムキになる」
「うっせ……」
あの日と同じ黄昏時で、俺らは年を取ったけど、同じように座っていた。

「俺は……ジェームスにはなれねぇよ」
「ショウタ……」
「でもな?もうちょっと頑張ってみるわ。ジェームス小野田でも、近藤房之助でもない、芹岡翔太になってやる」
「ショウタさんがショウタさんに?」
「あぁ、どうしようもねぇボンクラかも知んねえけどよ?俺は俺にしかなれねぇから。でも俺は、俺だけは、俺を裏切っちゃ駄目なんだよ。見限っちゃ駄目なんだよ。だからさ、芹岡翔太のまま……ビッグになってやるよ」
みんなが暖かい目で見て来る。
やめとけっ!
恥ずかしいだろうが!

「じゃあ俺もヒーローにはならないよ」
「そうなのか?」
「俺は正義の味方なんかにゃなれねえんだよ。俺はミキエとミヤだけの味方でいれればそれでいい」
「ふふっ、じゃあ私は応援してればいいのかな?」
「お!おう!どんどこい!お前の愛に!俺が答えてやるよお!」
「おっきくなったねぇ、三人とも……」
しみじみ聞いてたおじさんがぼそっと呟く。

「おじさんの番だぞ?」
「今度はちゃんと聞かせろよ」
「ほら!早く!」
「ああ、おじさんの夢はね?」



全世界、全時代、全時空の幼女を、幸せにすることさ。



「かいさぁーーーん!」
「ミキエ、今日の晩飯なんだ?」
「お節残ってるから食べちゃわなきゃ」
「おお!シモヤン!ミキエ!またな!」
「ショウタ!これからはちょくちょく帰ってこいよ!?」
「待ってるわよぉー!?」
ポツンと一人寂しそうに座るおじさんを残して俺たちは家路につく。


俺は夜の街をバイクで走る。
帰ったらまず店長に頭下げるか。
後はメンバー募集だな?
もういいや、手っ取り早く路上で歌うか。

なんかすっきりしたわ。
帰ってみるもんだな。
あの頃の気持ち、ほんの少しだけど思い出しちまった。
最後のおじさんのは余計だったけど。

でもな、おじさん。
俺はわかってるぜ?
なんたって俺は、おじさんの嘘なら全部わかるからな。



あの言葉は、嘘じゃねぇってこと。
[ 2013/01/03 09:37 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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