お待たせしました!
リクエスト小説の続きが出来ました!
ただ今回ちょっとダークでショッキンな内容です。
お気を付けて。
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信じるということは難しい。
信じれば信じるほど、裏切られた時のダメージは大きくなるから。
そして、それらは時に簡単に崩れ去るから。
それでも人は多かれ少なかれ、何かを信じ生きていく。
時にネガティブに、時にポジティブに、何かを信じている。
しかし忘れてはならない。
信頼は凶器足り得ることを。
信頼はいき過ぎると依存となる。
絶対だと信じているからこそ、両手放しで依存できる。
じゃあ絶対が絶対ではなくなったら?
忘れていたよ、そんな当たり前のことを。
いや、考えても無かったか……。
「おじさんをどうするつもりかな?」
薄暗い林に囲まれた廃病院の前で、おじさんは薄気味悪く笑う男に問いかける。
「なに、私のお願いを聞いてくれればいいだけですよ」
「おじさん、性別はそこまで拘らないけど、あんたには興味無いなぁ」
「あなたに拒否権なんかありますか?」
「そうだ、見逃してくれるなら、缶のコーンスープを綺麗に飲みきる、魔法の様な方法を教えてあげよう」
「……」
完全に無視だね……。
欲しい答え以外受け付けませんオーラがバシバシ出ている。
こりゃあ、冗談通じないタイプだわ。
「いつまでもふざけているなら、方法を変えましょうか?」
「なになに?おまけでもつけてくれんの?」
「人質の方、ショウタさんでしたっけ?幼馴染なんですよね?指、二・三本折ってきましょうか?」
「そ、それはちょっとねぇ……」
あのバカショウタめ、易々と捕まりやがって。
これは未曽有の大ピンチだね。
しかもこいつのアドバンテージは、人質なんてチャチなもんだけじゃない。
「でもショウタはムテキングだから、プリズンブレイクぐらい軽いもんだしね」
これで何度目になるのか、まだ状況を受け入れられないおじさんは、力を込めてそう言い放つ。
「ウソですね」
聞こえるか聞こえないか、ギリギリの音量で放ったその言葉は、それでも確かにこの場を流れる。
どういう訳かこの細身の男がそう言うと、おじさんの力は無かったことにされるらしい。
「ちっ……」
「いい加減認めたらどうなんです?あなたの能力は、私がいる限り使えません」
「種明かしぐらいなら……してくれるでしょ?」
「気になりますか?まぁ、そうですよね。簡単ですよ。私は他人の嘘を見抜く力を持っているってだけです」
「嘘を……見抜く?」
「そう、どんな人のどんな嘘でも、私にはそれが嘘だと見抜けるんです」
「だからおじさんの嘘が通じないわけか……」
「あなたが派手に遊んでいたところを目撃しましてね。なぜ私に効かないのか考えたところ、この能力のおかげだと気付きました」
「まったく、変に目立つのもやっぱりよくなかったか……」
男は薄汚い白衣を着ている。
痩せた身体と合わせて、医者と言うよりは科学者のような出で立ちだ。
蓄えた白い髭を撫でながら話すのは、どうやらこいつの癖らしい。
「で、試しにやってみたんですよ。あなたに気付かれないような些細な嘘の時に」
「その『ウソですね』っていう嫌味なやつのこと?」
「嫌味たらしいかはあなたの主観ですが、その通りです」
「で、効果が打ち消せたと」
「そうなんですよ。だから考えた、あなたの能力を、私にも使えるようにするにはどうすればいいかを」
「その答えが、脅して言うことをきかせる?」
「少し違いますが、概ねその通りです」
喉に小骨が詰まったような言い方だ。
なにからなにまで気にくわんなぁ。
「君は一緒に遊ぼって言えないの?」
「あなたについて調べました」
調べた……。
まぁだからこそショウタが捕まってるんだろうね。
「あなたの幼馴染であるショウタさんと、接触できたのが最近。ショウタさんから有益な情報が得られました。あなたの夢は幼女を幸せにすることらしいですね?」
「で?」
腹が立っていたのは初めだけ。
今や正直焦りの方が大きい。
「私はね?不幸になっていく幼女が見たいんですよ。それも、とびっきりにね?」
「……」
最悪だ……。
男は名前を明かさなかった。
そして自分のことは教授と呼べと言われた。
結果として、おじさんは言いなりになるしかなかった。
だって能力がなければ、多分武器も用意している上に、地の利まである向こうが勝つに決まってる。
要するに強行でショウタを奪還する自信が無かった。
いっそ舌噛んで死んでやろうかとも思ったが、それでも多分教授はショウタを殺すだろう。
こいつはヤバい、目が逝っている。
本当に人一人ぐらい簡単に殺すやつの目だ。
幼女は大切だが、ショウタを見殺しには出来ない。
話を聞く限り、ショウタはあの廃屋に捕まっているらしい。
写真で見せられただけだから、本当かどうかは怪しいけど。
言いなりになるしかなかったおじさんは、その足でとある病院に向かわされた。
もちろん教授と二人きり。
なにが悲しくて大の男二人連れ添って歩かにゃいかんのか……。
「ここですよ」
「へいへい、誰の病室?」
連れてこられたのは入院病棟。
表札には沖田ココロと書かれている。
教授は丁寧にノックしてから病室に入る。
「やぁ、久しぶりだね」
「あ!教授先生!」
「え!?教授先生!?わぁ!本当だっ!」
そこには二人の幼女がいた。
よく似ている、姉妹だろう。
二人とも肩まで伸びた黒髪がウェーブを描いており、クリっとした目とプックリした唇が瓜二つだ。
お姉ちゃんの方は、もうランドセルを卒業したぐらいだろう。
同じ顔だが、少し大人っぽく見えるのは妹と一緒だからか。
妹の方は身体は小さく、ミーナと同じかそれより小さいかもだ。
布団に入っているから、正確な大きさはわからない。
どうやら彼女がこの病室の主、ココロたんらしい。
「教授先生!なにしに来たの!?」
「今日は一緒に遊べるの!?」
「悪いが、今日はこの人と用事があるんだ。それが終わったらまた来るよ」
「えぇー?今は遊べないの?」
ココロが不満そうな顔をする。
「こらっ!ココロ?教授先生を困らせたらダメでしょ?」
「はぁい……」
「すぐに済むから、待ってなさい」
「ホントに!?やった!」
「じゃあ帰ってくるまでに、なにして遊ぶか考えとくね!」
たしなめた姉も遊びたいのは同じなようで、教授の言葉に喜んでいる。
病室から出たおじさん達は、近くにあった休憩所の椅子に腰かけた。
「意外に人気じゃないの、教授さん」
「そう見えたなら光栄ですね」
「あんた何者?医者なの?」
「医師免許は持っていますよ。医者ではないですが」
「てっきりあの子の主治医かと思ったよ」
「あの子はただのモルモットです」
……やばいわぁ。
拳握ったのなんかどれぐらいぶりだろう。
握りしめるだけだけどね……。
「私は精神の研究をしていまして。あの子は歩けないのですが、それでも強く生きています。彼女の精神状態を管理して、研究するのが私の仕事の一つです」
「管理って……何様のつもり?」
「あの子には感謝していますよ、いいデータが取れた。事故で両足が麻痺になったんですが、当時はいつ自殺してもおかしくない精神状態でした。それを管理して今のような状態にしてあげたのは私です。だから彼女らから慕われている」
「へぇ、それはすっごいですねぇー」
「まぁ結果として今は姉への依存で落ち着いている状態です。姉が数日来ないと発狂するでしょうね。でも大きな進歩です。これだけのことをしてあげたんだから、データを貰うぐらい当たり前でしょう?」
つくづく自分とは相いれない存在だと思い知らされる。
それと同時に、自分と似ているとも思わされた。
おじさんだって、幼女を幸せにする代わりに、楽しませて貰ってるわけなんだから。
「で?あの子になにかするの?おじさんはその研究とやらを手伝わされるわけ?」
「あぁ、あの子は立ち直った。人が逆境に耐え、立ち直るデータは貰いました。だから今度は……」
「もういいよ、だいたいわかった……。正直おじさんには出来そうにないな」
「なぜ?あなたもやっていたでしょ?幼い身体に傷をつけたり、貶めたり」
「でもみんな笑ってたでしょ?それがルールだ。あんたはそれを守りそうもない」
「まあいいです、あなたの意見は必要ない」
どうすればいい……おじさんは……幼女の心を傷つけるような真似はしたくない。
「なにを悩んでいるんですか?心配しないでもいい。あなたはただ一回、力を使うだけでいいのですから」
「ん?どゆこと?」
「私に『自分と同じ能力を使える』と言ってください」
……本当に、最悪な日だよ。
「……」
「どうしました?早くして下さい。ショウタさんの命を切り捨てますか?まぁそうした所で換えはいますが。故郷の他の幼馴染や、君の小さなお友達なんかがね」
「わかった……あんたはおじさんと同じ能力が使える……」
渋々力を込める。
「ふ……ふふふ……はーはっはっは!やった!これで!ははっ!」
「って言うのは嘘だけどね」
「それが嘘だ!はははっ!もう遅い!あなたは嘘を打ち消せない!私は嘘を見抜く能力と、嘘を本当に換える能力を持っている!あぁ!そうだ!記念すべき一回目の嘘が決まったぞ!」
「わぁ、それはよかったっすねぇ……」
「あなたはもう嘘を現実に出来ない!」
「なっ!?」
「これで!これで私だけがこの能力の加護を得ることが出来る!なーはっはっは!」
ウソ……だろ?
これじゃあ、なにも出来ない……。
こいつを止めることも、幼女を幸せにすることも……。
「ちょっと?あ、教授先生ですか?なに大声出してるんですか?困ります……」
教授の大声でナースがやって来たようだ。
「はぁ!?私に指図するのですか!?」
「え……?」
「あなたは今すぐ辞表を出すんですよね?」
「え……は、はい……」
「そして全財産をブランド品につぎ込む」
「そう……ですね」
「お金が無くなったら、着飾ったままホームレスにでもなるんですよね?バカだから!」
「バカだから……しょうがないですよね?ははっ……」
ナースは重い足取りで帰っていった。
「最高ですね!この能力!いやぁ!あなたには感謝してもしきれない!」
「じゃあ、もうショウタを解放しても文句ないよね?」
せめてショウタだけは……。
「あなたはショウタさんのことを忘れましたよ?」
「……ん?え?」
なんだ?なにか、忘れているような……。
「ふぅ、じゃあこれでサヨナラです。後は自由になさって結構ですよ?あ、ここの関係者として言いますが、部外者は早く出ていってくださいね?ふふふっ!」
「……わかったよ」
ここにいてもなにも出来ないのも本当だ。
というより……。
もう、なにも出来ないのだけど……。
さあ、ここからは私の独壇場ですね。
沖田姉妹の精神が壊れていくのを、しっかりと研究させて貰います。
私はノックもせずに病室に入る。
「んへ?あ、教授先生!」
「え!もう来てくれたの!?」
「ココロさんにプレゼントがあります」
「え!プレゼント!?なになに!?」
「歩けるようにしてあげますよ」
「……え?」
「ちょっと……教授先生……冗談でもそれはちょっと……」
姉のキズナが嫌悪感を示しているが気にならない。
「ココロさんの足は動くようになる」
「ホントに!?動くの!?」
「教授先生!ココロに期待を持たすようなこと言うの止めて下さい!」
キズナが怒るのも無理はない。
動くわけがないのだ。
現代医学ではどうしようもない怪我だったのだから。
現代医学では……ね?
「あああああ!」
「へ?なに!?ココロ!?」
「動く!ねぇ!キズナちゃん!ほらっ!」
ココロが布団を捲ると、ただでさえ小さい身体なのに、筋肉がやせ細りガリガリになった足が、ピクピクと動くのがわかる。
「え!?ほ!本当に!?教授先生!これって!」
「動く!動くよ!」
二人は涙を流しながら喜んでいる。
「頑張れば歩けるはずですよ?」
「ホント!?歩く!」
「ちょっと!ココロ!無理しないの!ちょっとずつよ!?」
キズナは怒りながらも顔は笑っている。
「私の姿も声ももう感じ取れませんよね?」
「あれ?教授先生?」
「え?教授先生帰っちゃったの?」
「……みたいね」
「ちゃんとお礼言いたかったのに……」
二人は一瞬シュンとしたが、すぐに笑顔に戻り歩行を試してみようとしている。
キズナに助けられ、ゆっくりとベッドから降りるココロ。
確かに足は動くが、筋肉がほぼ無くなっているので、身体を支えるのでかなりの体力を消耗するようだ。
それでも歩けたという奇跡を存分に喜ぶ二人。
「キズナちゃん!歩ける!ほら!私歩けるよ!?」
「うん!ホントに!……うぅ……ほん……とに……ぐひっ」
「なんで泣いてるのよぉ!うぅ、ココロ、歩けるようになったんだよぉ?」
「そうよね?うん……ぐすっ!あるいでる!こころが!あるいてるよおおお!」
二人とも止めどない涙を流しながらも、何度も足が動く奇跡を試している。
「キズナは今まで面倒みた分、ココロに恩返しをして欲しいんですよね」
しかし私の一言が現状を一変させる。
そう、キズナの顔が一瞬で無表情に変わったのだ。
「友達と遊びたいのも我慢して、妹の為に尽くしてきたんです。妹を恨む気持ちもあるでしょう?歩けるようになったんなら、今度はココロがキズナに恩を返す番ですよね?」
キズナが不意にココロを睨む。
「え?なに?キズナちゃん?」
「ココロ、あんた今まで散々迷惑かけて、詫びの一つも無いわけ?」
「あ、あのね!キズナちゃん……じゃなくてぇ……お姉ちゃん!今までありがとうございました!」
よろける足でなんとか立位をとり、笑顔でペコっと頭を下げる。
「そんなんじゃ伝わんないわよ!今まで私がどれだけ苦労したと思ってるの!?」
「え?……な……に?」
「友達の誘い断って!部活も辞めて!お母さんが忙しいからって、なんで私ばっか損しなきゃならないのよ!」
「ごめん……なさい……」
急に信じていた姉に大声で怒鳴られて困惑するココロ。
「脱げ……」
「え?なんて言ったの?」
「裸で土下座しろ!」
「え?い、嫌だよ……」
「私はなんでもやったよ!?あんたが甘いもの食べたいって言うたびに買いに行った!マンガやゲームだって!あれ私のお小遣いも使ってんだよ!?」
「う、うぅ……」
遂に泣き始めた。
さっきの歓喜の涙とは程遠い。
絶望の涙だ。
「泣いてるだけで許してもらえると思ってるわけ?脱げって言ってんだろ!」
「うひぃ!」
声に驚いてよろめくココロ。
差し出されたキズナの手は、優しくココロを抱きとめるのではなく、胸ぐらを掴んでいた。
「ぬ!げ!」
「ひゃいい!」
急いで上の服を脱ぐ。
「下もだ!」
一度ベッドに座り、パジャマの下も脱ぐ。
恥ずかしそうにもじもじするココロ。
「それが裸か?」
そう言われて覚悟を決めたのか、ぱんつも脱いで畳んだパジャマの上に置く。
「土下座は!?」
「は!はい……」
震える足で再度立ち上がり、倒れるように床に座ると、ぎこちない面持ちで正座する。
そして姉の顔を伺いながら、そのまま頭を下げていく。
「お姉ちゃん、本当にすいませんでした……」
「声ちっちぇえんだよ!」
「ぐっ!」
頭を踏みつけられて顔面を床にぶつける。
キズナの足はそれでも離れようとせず、頭を踏みにじり続けた。
「おい、なんか面白いことやれよ」
「……面白いこと?」
「ずっと私がお前のおもりしてたんだぞ?今度はお前が私を楽しませろよ」
「なにを……やればいいの……?」
「そうだ!ココロ!あんた今から馬ね?」
「馬?」
「そう、私の馬。そこに四つん這いになって。私が上から乗るから、そのへん散歩してよ」
「そ!そんな!無理だよ!」
「やれよ!甘えんな!」
「ひぃぃ!」
顔のすぐ横に勢いよく蹴りを入れるキズナ。
言われるままにボロボロの身体で四つん這いになるココロ。
「ちょっと待って下さいね」
私がストップを入れる。
「二人とも質問には答えて下さいね?ココロ、あなたは姉に不信感を抱いていますか?」
「はい……」
「信じていたのに可哀そうに。ねえ?ちょっと悪戯してやりませんか?」
「悪戯?」
「ここにバイブが付いたベルトがあります」
「バイブ?」
「これを腰に巻いておけば、キズナは勝手に処女を散らしますよ?不様でしょ?」
「よく……わかんない……」
「キズナの大切なものを壊してやるんですよ……」
「大切なもの……壊す……」
ココロは無表情なままベルトに手を伸ばす。
ちなみに質問で能力は使っていない。
あくまでココロの自由意思を尊重している。
なんせこれは実験ですしね。
「キズナ、あなたはバイブをまんこに突き刺して座りますが、病院を出るまでそれに気付かない」
キズナには能力で前置きしておく。
バイブを背中から生やしたココロの上に、キズナが股がる。
「ん!なに!?これ!乗りにくい!んぎい!ぐ!ぎいいいい!」
まったく濡れていないうえに、ぱんつの上からバイブを咥えこもうとするキズナ。
私はキズナの肩にそっと手を置き、力ずくで押し込んだ。
「ぬぎいいいいいい!」
「ふふっ」
その声を聞いて、ココロが耐えきれず笑みをこぼす。
信じあっていた姉妹もものの数分でここまで変わる。
……面白い。
「はぁ、はぁ、さぁ!進め!ココロ!」
「いたっ!け!蹴らないで!」
ジョッキーのように足でココロの横っ腹を蹴るキズナ。
ココロより二回りほど身体が大きい上に、ココロの足はやせ細っていて今にも折れそうだ。
それでもよろよろと動き始めるココロ。
「逆よ!なにやってんの!?」
「……え?」
確かに、キズナはココロのお尻の方を向いて座っている。
ココロに後ろ側に歩けと言っているのだ。
「こ、こう?」
「おっそいわねぇ!もっと早く歩けよ!」
「いたい!いたいよ!」
さらに横っ腹を蹴りつづけるキズナ。
そのまま部屋を出ようとするので、他の人間にはいじめているように見えるが、能力を使って止めることは出来ないようにしておく。
「キズナちゃん……これじゃあ何があるか見えないよ……」
「大丈夫、危ないものが前にあったら、ここを……」
「ぐぎいい!な!なにしたの!?」
「クリトリスを捻っただけよ?」
「クリ?な、なに?」
「ココロのはしたない部分のことよ。本当に汚いまんこね?しばらくお風呂入れてないもんね?こんなの晒しながら歩くとか、変態じゃない?」
処女なのに、ぱんつごとバイブを咥えこんでいるキズナも変態だろうが、気付いていないのでしかたがない。
「次にさっきのしたら、うんこ飛ばして攻撃ね?」
「え!?む!無理だよ!」
「うっさい!じゃああんた他の方法で私の時間返せるの!?」
「ふえぇぇ……ひどいよ……」
泣きながらもブルブル震える足を動かし続けるココロ。
「え?なんか背中が暖かい……」
「え?なんか言った?」
「キズナちゃん!?なんかしてるの!?」
「え?なんにも?」
「うそ!ちょっと!なに!?これ!?」
「えぇ?なんにもしてないよ?おしっこは出てるけど……」
「それだよ!私の背中におしっこかけないで!」
ココロの予想通り背中には、キズナの垂れ流した尿が染み込んでいく。
「あぁ、おしっこのことだったの?気にしなくていいのに」
「気にするよ!なにしてるのよ!」
「だってうんこもしてるのよ?」
「え?……」
当然のように妹の背中にうんこを垂れ流すキズナ。
そこに前からナースが来た。
「ちょ!ちょっと!?キズナちゃん!?ココロちゃんになんてことしてるの!」
「遊んでるだけですよ?」
「な!完全にいじめてるじゃない!」
「ねぇ?ココロ?楽しくないの?」
見えないところで、お尻を血が出るぐらいに捻るキズナ。
「た!楽しいよ!?お姉ちゃん!」
「ほら」
「で!でも!」
「私達姉妹の関係に口出さないでください!」
「なっ!キズナちゃんはもっといいお姉ちゃんだと思ってたわ!ココロちゃん!?本当にそれでいいの!?」
「はい……いいんです……お姉ちゃんが楽しいなら……」
「ほらね?もう邪魔ですよ」
「ふがああああ!」
またもキズナがクリトリスを捻る。
言われた通りココロがうんこを出す。
勢いよく出た水溶便がナースにかかる。
「きゃあ!な!なにするの!ココロちゃん!」
「攻撃よね?ココロ?」
「はい、お姉ちゃんと私の進路を妨害するものに、攻撃しました……」
「もう!知らない!」
ナースは怒って去っていった。
それからも病院を出るまで、何人かのナースに止められたが、その都度うんこを噴射して切り抜けた。
途中男達がココロの裸体を好奇の目で見ていたので、写真撮影の時間を取ってやった。
キズナはココロの上でスカートを捲りドヤ顔。
ココロは震えながらぎこちない笑顔を作っていた。
「さぁ!やっと外に出たわね!」
「は、恥ずかしいよ!キズナちゃん!」
「五月蠅い!ごちゃごちゃ言ってないで早く進め!」
「うげっ!進むから!蹴らないで!」
ココロの横っ腹はアザが出来ていた。
「あれ?なんか……お腹の中に入ってる?」
「今更気付いたの?キズナちゃん、ずっと棒に突き刺さってるよ?」
「棒?」
そっとスカートを捲って確認するキズナ。
「な!きゃああああ!なんでええ!?これって!」
パニックになってもバイブを抜くことは出来ない。
私がそうしたからだ。
「なんか大切なものが無くなったんでしょ?」
「私の!私の初めてが!こんなもので!」
「ふふっ!」
「ココロ!あんたなに笑ってるの!?知ってたんでしょ!?この!この!」
「いぎゃああ!いだいいい!いだいよおお!やめでえええ!」
キズナは逆上し、片手でココロの髪を掴んで引っ張り、もう片手で何度もお尻を叩いた。
「はぁ、はぁ、まだやり足りないけど、今はこれで許してあげる」
「うぎっ、ひっく!う!うぅぅぅ!」
ボロボロ涙を流しながら痛みと疲労に耐えるココロ。
どんなに疲れても倒れられないようにしているので、上で暴れられても疲労がたまるだけで、倒れてリタイアすることも休むことさえもできない。
落ち着きを取り戻し、また歩き出す二人。
しばらく歩いたところで、キズナがあるものを発見した。
「あ、あんなところにうんこが落ちてる」
「ど、どこぉ?避けなきゃ……」
「いいわよ、私が退けてあげるから」
「き、キズナちゃん……」
非日常の中で極限な状態に混乱しているココロは、ほんの少しの優しさでもキズナに感謝出来る状態にあった。
あぁ、実に興味深い。
うんこの前まで行って、キズナがココロのお尻を叩いて止まれの合図をする。
「よいしょっ」
「え?手で掴んだの?汚いよ?」
「ココロよりマシよ?」
「ど、どういう意味?え!?なに!?やめて!」
「うごくなっ!」
キズナは拾ったうんこをココロのまんこの中に詰め出した。
「止めてよ!病気になっちゃう!」
「五月蠅い!私の処女膜破っといて!あんたのまんこなんか、病気にでもなんでもなればいいのよ!」
「酷いよぉ……」
「あ、もうちょっと左向け!そう、進んで」
「なんなの?」
「止まれっ!」
「ひぎっ!いちいち叩かないでよ!」
「そーっと、そーっと、よしっ!」
「なに?なにをしてるの?」
「ココロは黙って言いなりになってればいいのよ!それっ!」
「え!なに!?今度はなに入れたの!?」
「なんでしょう!?当ててみて?当たったら取ってあげてもいいわよ?」
「なに?わかんないよぉ……ひいいいい!う!動いたあああ!まんこの中で!ガサッてえええ!やめてえええ!なにこれ!?なんなのおおおお!」
「はい、タイムオーバー!正解は便所虫でした!」
「いやああああああ!取って!取ってよおおおお!」
「こんな季節でもいるんだね?ほら、出したいならまん圧で出せばいいでしょ?」
「なに!?どうやるの!?ねえええ!」
「気張ればいいのよ。うんこ出す時みたいに」
「ううううう!ううううううう!」
「どれどれ?うわっ!すごい顔!はははっ!」
「出ないよおおお!ふんんん!」
「ほれ!手伝ってあげる!」
「ふがっ!」
キズナがココロの鼻の穴に指を入れて持ち上げる。
「ふがっ!ふがああああ!」
「ひゃはははは!女として終わってるわよ!?あんた!ほら!男の人とかも見てるわよ?いいの?」
キズナの言う通り、通行人が何人か立ち止まって見入っている。
男はみな携帯でさりげなく盗撮しているようだ。
「ふががががががが!ぶぎゃああ!」
「おお!すごい!ホントに出た!ケツからも出たけど!」
ケツからうんこを出すのと同時に、まんこに入った道端のうんこと便所虫が飛び出してくる。
出てきた便所虫は辛うじて生きていたのか、よろよろと逃げていった。
それにしてもこの能力はすごい。
ちょっと指示しただけで、後はその人間の潜在意識からどんどん派生させていく。
なぜなら実際、私はあまり指示はしていないからだ。
それでもこの子達は自分で考えながら狂気を振りまいているのだ。
特筆すべきは、キズナは虫が大の苦手だったのに、カマドウマを素手で掴んだことだ。
能力の支配は人の感性まで狂わせるらしい。
キズナが便所虫という俗称を知っていたのも驚きだが……。
「あ、あれ?斎藤くんじゃない?」
「え!?ちょっと!もう止めよう!ね!?こんなところ見られたら!」
「斎藤くーん!」
ココロの声に耳を貸さず、逆に斎藤とやらを呼び寄せるキズナ。
彼は確かココロの同級生で、何度かお見舞いに来ていた少年だ。
どうやらココロのことが好きらしく、ココロもそれがまんざらではない様子だったのを覚えている。
「え?キズナさん?と……なに!?誰それ!?なにしてるの!?」
「これねぇ?変態さんなんだぁ」
「ち!違う!これはキズナちゃんが無理やり!」
「はぁ!?」
「あ、あの……だから……」
「……え?こ、ココロ?なのか?」
「……」
「ほら!呼ばれてるわよ!?まんこ濡らしてないで答えてあげなさいよ!」
わざわざ幼いまんこを広げて斎藤に見せつけるキズナ。
確かに少し濡れてきている。
愛液など出ないはずの年だが……。
能力は身体や成長にも影響するのか……。
「ココロがなんで?てか動けるのか?え?なんで?裸?」
「あのね……」
「よ!よかったな!ココロ!動けるようになったのか!?」
斎藤はどうやら目の前の現象を受け止められなかったようだ。
「そ、そうなの……」
「ねぇ?斎藤くん?大好きなココロのまんこ見てそれだけ?」
「大すっ!?ちょっ!キズナさん!なに言ってんの!?」
「そ!そうよ!キズナちゃん!斎藤くんが私なんかのこと好きなわけ……」
「じゃあちょっと斎藤くん、ズボンとぱんつずらしてちんぽ見してみて?」
「はぁ!?なに言ってんの!?そんなこと出来る訳ないだろ!?」
「え?ココロは全裸なのに?ココロの頭がおかしいだけで、やっぱり斎藤くんはそんなこと出来ない?」
「なっ!」
「そう……だよね?私が頭おかしいだけだもん……」
未だ斎藤はココロの尻しか見ていないので、顔は見えないが、悲痛な表情は空気で伝わった。
「そ!そんなことない!俺なんか別にちんぽ出すぐらい平気でするし!」
「そうこなくっちゃ!ほらっ!早く!出したらお姉さんがいいことしてあげるかもよ?」
「え?……いいこと?」
斎藤の顔が赤く染まる。
ココロは複雑な表情をしている。
「ほら、ココロのこと、なんとも思って無かったら立ってないもんね?」
「た、立つって?なにが?」
「あら?斎藤くん?しらばっくれちゃって!ほら!脱ぎなさい!」
「あっ!」
キズナは無理やり斎藤のズボンをぱんつごとずらした。
中から小さいちんぽが出てきた。
「お、小さいけどやっぱり立ってたか!」
「立つって、これのことなのか?」
「キズナちゃん?どういうこと?」
「好きな人のエッチなとこ見たら、男の子はこうなるのよ?」
キズナが本気で言っているのか、騙すために言っているのかはわからないが、二人には効果絶大だったようだ。
まるで告白してしまったかのような空気が流れる。
「でぇもぉ?おねぇさんがもっといいことしてあげる!はむっ!」
「いひっ!」
「ちょっと!?きずなちゃん!?なにしたの!?」
ココロが必死に後ろを見ようとしているが、キズナがそれを片手で制している。
キズナは斎藤の小さいちんぽを全て口に含み、舌で刺激し始めた。
「にゃああ!にゃにこれえええ!き!きもちいいい!」
「レロレロレロ!ひもひいいへほ?じゅぶぶぶぶ!」
「止めて!斎藤くんに変なことしないで!」
「ひぎい!にゃ!にゃんかくりゅううう!うぎっ!」
斎藤はキズナの口の中で初めての射精をしたようだ。
「キズナちゃん!?なにしたの!?ねえ!」
「早すぎじゃない?ココロへの気持ちなんてそんなもんなんだ?じゃあお仕置きしなきゃねぇ?」
「ふぅ!ふぅ!ふぅ!き!気持ち良かったぁ……ひぎ!?ぎゃがあああああああ!」
すると唐突に斎藤が叫んだ。
「ぺっ!はぁ、これで私の大切な妹に害を成すようなものは、この路上から無くなったわね」
「ふいっ!ひぎいい!ぎいいい!」
「斎藤くん!?大丈夫!?ねえ!」
斎藤は股間を押さえて転げまわっている。
斎藤の転げた道路に血が広がる。
キズナが口から吐き出したのは斎藤のちんぽだった。
そう……噛みきったのだ。
あぁ、なんという狂気。
すばらしい。
「ほら!ココロ!あんなのもう男じゃないから!気にせずレッツゴー!」
「いやああ!斎藤くん!血が!血が出てる!」
「行けよコラっ!」
「ふぐっ!ご!ごめんね!?ごめんね!斎藤くん!」
また腹を蹴られて謝りながらも進んでいくココロ。
斎藤は通行人に助けられて、病院にいくようだ。
事件にならないように能力で操作しておいた。
ここらで一旦スイッチを入れ替えるか。
「キズナ、君は妹への愛を取り戻した」
「え?……あ、ああ……ああああああああああ!」
「な、なに?キズナちゃん?」
「ごめんね!ごめんね!ココロ!ごめんねええええ!」
急にキズナが泣き始め、ココロの上から飛び降りた。
「なに?なんで泣いてるの?」
「もういいの!私が悪かったの!どうかしてた!」
「キズナ……お姉ちゃん……」
「ごめん……ごめん……」
すごいですね、人間は。
ここまで急激に感情が変化して、しかも状況は取り返しもつかないぐらい最悪なのに、心が壊れないなんて。
意外に人間の心は強いんですね。
じゃあどうすれば壊れるんでしょうね?
「ココロは私が守らなきゃ駄目だったのに……その私がこんなこと……」
「……」
しかし当のココロはまだ信じていない。
一度無くなった信頼はそう簡単には取り戻せない。
それが大きければ大きいほどなおさらだ。
「あう!い!犬!」
「え?うっ!」
前から凶暴そうなドーベルマンが、首輪も無しにやってきた。
もちろん犬が苦手な二人の為に、私が用意したものだが。
「こ!こっちに来なさい!」
「キズナちゃん?」
「大丈夫!ココロは私が守るから!」
そう言うとキズナはぱんつを脱いで、犬に尻を向けて四つん這いになる。
「ほらっ!こっちのまんこ!具合いいよ!?ねっ!?ほらっ!ほらっ!」
さっきまで処女だったケツを振りながら、犬の狙いを必死にココロから反らす。
それを見て一瞬感動したココロだが、さっきの斎藤への暴挙を思い出したのか、すぐにその目は冷たいものに変わる。
「見て!お姉ちゃんの方が気持ちいいよ!?ねっ!?だからこっちのまんこにしなよ!ほら!好きにやっちゃっていいから!」
「え?……あ、ぅ……そ!そう!こっちのまんこおお!犯してえええ!」
ふっきれたのか、キズナはケツを前後にピストンしながら犬を誘う。
しかし苦手な犬への恐怖が先だって、足が震えている。
虫は大丈夫でも犬は無理なのか……なにか違いがあるのか?
「ぐるるるるるぅ……うわんっ!」
「ひいいい!」
キズナは犬が吠えた途端にビビって尿を漏らしたようだ。
太ももがびしょ濡れになっている。
しかしココロはちゃっかり、すでに遠くに逃げている。
「ごごご、ごめんなさい!おねがい!やめて!来ないでええ!」
キズナは今更助けを請うが、腰に力が入らないのか動かない。
犬は急に走りだすと、勢いよくキズナのまんこに赤々しいちんぽを突っ込んだ。
「うぐううう!はいっちゃっらああああ!らめなのにいいい!あふっ!?」
「うわんっ!」
「うっわぁ、本当に犬に犯されてる。気持ち悪っ」
犬に突かれながらビクビク動くキズナを見て、助けてもらったココロは完全に引いていた。
「らめっ!らあめええ!もっろはやくうう!もっろついれえええ!」
「なにあれ?気持ち良くなっちゃってるじゃん……。あんなのが姉とか知られたくないんだけど……」
ココロはワザと聞こえるように言う。
「ごめんね!?ココロ!情けないお姉ちゃんれ!ごべんね!?」
「うっさい、犬に突かれてよがっててよ……」
さっきから思っていたが、言語の幅も広がっているなぁ。
知らない知識さえも必要なら使えるようになるのか。
これは超能力どころじゃない。
もう魔法だな。
「ぐほおお!いっぱい出へるううう!」
「気持ちいいの?こんなので?変な顔……」
ココロは安全と思ったのか、犬とキズナに近づいて直接バカにする。
ちんぽを引き抜いた犬は、まだ固いそれをそのまま近くにいたココロに突き刺そうと襲ってきた。
「きゃっ!きゃあああ!こっち来ないでええ!」
「ココロぉ……わらひがまもりゅぅ……」
残念ながら、唯一の味方であったはずのキズナは、余韻からまだ立ち直っていない。
「ぷぎっ!ぐごおおお!はげっ!激しすぎいいい!」
犬は初めから全力でココロを突きあげる。
処女であったココロは、犬に膜を破られしかもそのまま絶頂した。
「いぎゅっ!いぎゅうううう!はじめれなのひいい!いっちゃうううう!」
ココロが逝った時、同時に犬も逝ったらしい。
長い射精が始まった。
長い長い犬の射精が終わり、二人で路上に横たわる。
はぁはぁと肩で息をしながら、二人は大量の精液をゴプゴプと垂らしていた。
その後二人は少ない休憩を挟み、またも歩き続ける。
罪悪感の塊だが、妹の上に再度乗っかったまま動けないキズナ。
そして誰に言われるまでも無く目的地に歩くココロ。
その足は等に限界に達しており、疲労によって折れる寸前の両脚は、寝たきりの時よりある意味重症になっていた。
「と、到着?」
「ここでいいの?」
到着したのは私のねぐらである廃病院だ。
「こ、怖いね……」
「キズナちゃんが先に行ってよ」
ココロはすでにキズナを邪険に扱い始めている。
「そ、そうよね?……お姉ちゃんなんだから……」
ココロが怪談系を嫌いなことは百も承知のキズナは、ここぞとばかりに前に出る。
その間にココロに新たな暗示、ではなく助言を持ちかける。
キズナには聞こえないように、あたかも心の声のように。
あくまで本人の自由意思を尊重する。
「ふふっ、いいこと思いついた」
「え?いいこと?なになに?」
ココロが笑ったことで少し罪悪感が薄れたのか、前のめりで聞き返すキズナ。
「私が怖くなったら、キズナちゃんがおならで笑わしてくれる?」
「へ?……おなら?」
「そう、キズナちゃんが笑わしてくれたら、私も最後まで頑張る」
「そんな……都合よくおならなんて……」
「出来ないの?」
その声は冷たく、非情にキズナに突きささる。
「だ、大丈夫。お姉ちゃんだもん……ね?」
「じゃあ行こう」
本当に怖いのかと思うほど無表情に歩き始めるココロのほうが、廃病院より恐怖に感じるキズナだった。
「思ったほど暗くないんだね……」
「もう夕方なのにね。これってどこに向かってるの?」
「わかんない……」
傍から見たら怖がりの姉とそうじゃない妹に見えるほど、ココロは落ち着いていた。
恐怖より姉への憎しみの方が勝っているらしい。
一歩歩くごとにきしむ足、思い出しただけで吐き気のする経験。
それら全てが姉のせいだと考えているようだ。
病院に入ってからは二人とも普通に歩いている。
ココロは裸のまま精液を垂らしながら歩いており、キズナはよれよれになった服を辛うじて着ている状態だ。
「う、ここら辺って病棟だよね?結構昔のまま残ってるんだ……」
「はぁ、なんか怖くなってきたなぁ」
「へ?あ……ぅ……」
「どうしたの?早くしてよ」
「う、うん……」
キズナはココロが出した判り易い合図でおならを出そうとするも、そう簡単にはでないらしい。
立ち止まって力むもおならは出ない。
「やるきあるの?」
「ちょっと待って……ちゃんとするから……」
「糞もらしてもいいから早くしろよ」
「はい……んん!くぅ!」
ぷっ。
可愛らしいおならが出たが、耳を澄ませば聞こえる程度であった。
「それだけ?面白くない」
「ご、ごめんね?」
黙って先を行こうとするココロ。
もはや怖いふりすらやめたらしい。
「ね!ねぇ!?今そこでなんか動かなかった!?」
「ネズミかなんかじゃないの?キズナちゃんキモイからこっちよらないでよ」
「ご、ごめん……」
「それより怖いから屁、出してよ」
「うん……くぅ!ふううう!」
「てかさ?なに一人で服着てんの?」
「あ……ごめんね?私の服、着る?」
「キズナちゃんのクサい服なんか着たくない」
「そうだよね?……じゃあ私も脱ぐね?」
キズナは黙々と脱いでいく。
ココロは脱いだ服を一枚ずつ拾い、窓から捨てていく。
「これで、おそろいだね?」
「寒いでしょ?」
「そうだね、ごめんね?一人で服着てて……」
「寒いからこれは被ってていいよ?」
「ぱ、ぱんつ?ありがとう!」
ココロの優しさは自分の気持ちが通じたからだと思い笑顔になるキズナ。
「なに履こうとしてるの?」
「え?だって……」
「被れって言ったのに?」
「被れってどうやって……」
「顔に被れって言ってんの」
「こ、こう?」
帽子のように頭に被ろうとするキズナを制するココロ。
「違うよ、こうやって鼻と口にその汚い所が当たるようにしてよ」
「うっ!く……クサい……」
「汚いまんこしてるキズナちゃんが悪いんだよね?」
「そうよね……」
「あやまって」
「へ?」
「クサいまんこでごめんなさいってあやまって」
「……うん」
もうココロのおもちゃになっている。
言われたままを口に出そうとするキズナ。
「あ、本気でオナニーしながらね?歩きながらでいいから」
「う、うん」
「もちろんおならも忘れないでよ?ちゃんとこれで撮っといてあげる」
「それ、私の携帯……」
動画を起動して録画していくココロ。
「ん、はぅ……敏感になってる……」
「下らない報告はいいから」
「はい……まんこがクサくてごめんなさい……んっ」
「もっと本気でやれよ」
「ごめんね?歩きながらだから難しくって……」
「言い訳はいいよ」
「うん……ふっ!はぁ!んんん!」
「ほら!今度はセリフ忘れてる!」
「ご!ごめんなさい!まんこがクサくてごめんなさい!」
「おならは?」
「く!クサいケツからもおならひり出します!くうううう!」
ぷぽっ!
という音と共にクサい臭いが流れてくる。
「くっさ、恥ずかしくないの?」
「は!はじゅかしいでふうう!」
「でも手が止まんないね?」
「そうですううう!手!止まんないの!逝きたいい!クサいまんこ!逝きたいですうう!」
「この動画誰かに送ろっか」
「へ!?だ!だめええ!」
「じゃあ逝っちゃダメ」
「いああああ!逝きだいいい!」
「じゃあねぇ?あいつのアドレス無いの?キズナちゃんが嫌いって言ってた先輩の……」
「田島先輩?いやああ!あんな人に見られたくないいい!」
「そうそう田島先輩。デブでキモくて、いつもキズナちゃんのことエロい目で見てくるんだよね?」
「はあああ!田島先輩に見られちゃううう!キズナのエッチなとこ見られちゃうのおおお!」
「ほら、田島先輩に愛の告白しなきゃ」
「田島先輩!キズナはエッチな子です!いつも見られて感じてましたああ!」
「それで?」
「しゅきでしゅう!田島先輩がしゅきいい!あいひてますうう!つきあってええ!キズナを彼女にしてくださいいい!エッチなこといっぱいするからあああ!」
「彼女とか調子乗ってない?」
「すいませんん!クサいまんこのキズナが調子乗ってましたああ!おもちゃ!田島先輩のおもちゃになりますうう!好きなように使っていいからキズナを先輩のおもちゃにしてえええ!」
「それだけ?」
「毎日先輩にクサいぱんつ渡します!先輩のぱんつはキズナが口で綺麗にします!トイレの後もちんぽとケツ穴舐めて綺麗にします!命令されたらどこでもケツ振ります!だから!だからちんぽ入れてええええ!腰振るからあああ!バカみたいに腰振って気持ち良くするからあああ!」
「最後はおならだよね?」
「屁をこきます!田島先輩への愛を証明します!」
「じゃあ手伝ってあげる」
「え?ぎじゃあああああ!い!いぎゅううう!」
ぶぼっ!
というおならと共に逝き果てるキズナ。
ココロはこっそり渡したスタンガンで、キズナのケツの穴を攻撃したのだ。
「きひっ!きゅうううう!いたいいいい!」
ケツを押さえて涙を流すキズナ。
ココロはそれを見て笑いながら田島とやらにメールで動画を送信した。
「これで明日からキズナちゃんはあいつのおもちゃだね」
「ひどいよ……なんでこんな……」
「あ、ここ……」
「え?」
二人はいつの間にか医院長室の前に来ていた。
「到着です」
「え?教授先生?」
「あ、み!見ないで!」
二人はさっと身体を隠す。
今更見られるぐらいどうってことないだろうに。
「さぁ、少し私にも使わせて下さい」
「なにを……言っているの?」
「教授先生?顔が……怖いよ……?」
「あぁ、そうそう。仕上げがまだでしたね?さぁ、ココロさん?思い出して下さい」
「なにを?」
「あなたの大好きな、尊敬する、いつも優しかった姉を」
「え……な……んで?なんで私……キズナちゃんにこんな……」
「いいの!ココロ!?おかしかったの!今日の私達は変だったの!私だってココロに酷いことした!だからいいの!考えちゃダメ!」
「私……キズナちゃんに……酷いこと……いっぱいした……」
「ずっと看病してくれた姉に対する仕打ちがこれですか?」
「操られてたんだよ!きっと!身体が勝手に動いたの!」
「そうですね?でもそれは切っ掛けだけで、後はあなたたちが考えてやったことですよ?強制はしていない」
「うそっ!ココロは悪くない!大丈夫だから!ココロ!?ねえ!」
「私……キズナちゃん……」
ココロは固まってうわ言のようにボソボソと呟いている。
「少なくとも、あなたがした取り返しのつかないことは無くなりません。愛する姉は、二度とまともな生活なんて送れないでしょう」
「やめてえええ!それ以上言わないでええ!」
「ああああああ!いやああああああ!がっ!ひいいいい!ああっ!うわあああああ!」
急に頭を振りだしたココロは、うずくまるとそのまま床に何度も頭を打ち付ける。
「やめなさい!ココロ!やめて!」
「ココロさん、可哀そうですね」
「助けて!ココロを助けて!」
「ココロさんの足が治らなければこんなことにはならなかったのにね」
「……え?なん……て?」
「足が治っていなければ、あの病室で二人、今でも仲良く笑っていたでしょう」
「……あ」
「戻りたいですね?あの時に……」
「……もど……る……」
限界だったんだろう。
考えるより先にキズナの身体は動いていた。
うずくまるココロの足の上に体重をかけて乗っただけ。
それでも疲労した細い足は簡単に音を立てて折れた。
「ぎいいいい!痛い!痛い!折った!キズナちゃんがココロの足折ったああああ!」
「え?な、なんで?あれ?」
「おやおや、なにやってるんですか?キズナさん?ココロさんの足、折れちゃいましたよ?」
「私が?ココロの足を?」
「せっかく治ったのに、酷い姉だ」
「私が……ココロを……うそ……」
「嘘じゃない、お前が折ったんだ」
「違うっ!」
「じゃあなんでまだ足をどけない?ずっと痛めつけるように何度も体重をかけているじゃないか」
「違うの!これは!違う!」
「戻らなければいいと思ってるんだ。ずっとあの病室に縛りつけようとしている」
「やめてえええ!」
「お前は酔ってたんだよ!看病する優しい姉という自分にな!」
「そんなことない!」
「そうだろう!?誰かに頼まれたか!?母親は気にせず自分のことを考えろと言っていたはずだ!それでもお前は全てを捨てて妹の所に通った!自己犠牲に陶酔してたんだろ!?それなのにお前はそれを妹のせいにした!妹のせいで自分は遊べない、幸せになれないってな!」
「いやあああああ!やめろおおおお!ちがうううううう!」
そう言いながらも何度も何度もココロの足を傷めつけるキズナ。
泣きながら暴れまわるココロ。
壮観だ……。
人はここまで壊れられる。
その夜は一日二人で遊んだ。
「ほら、ココロ?リンゴ剥けたよ?」
「あ、ありがとう!お姉ちゃん!」
薄暗い廃病院の病室で、昔のように二人仲良く時を過ごす幼女達。
「ねぇ、あれ気に入ってくれた?」
「ココロが噛み切ってくれたクリトリスの皮のこと?」
「そうそう!オナニーし易いでしょ?」
「うん!とっても便利ね!」
「田島先輩も気に入ってくれるといいね!」
「そうだね!あ、私のプレゼントは?ちゃんと使ってる?」
「もちろんだよ!一人じゃもう取れないし!」
無理やりまんこに入れられたぬいぐるみは、ココロの顔より大きいだろう。
「私のお気に入りなんだよ?これで私がいないときも寂しくないでしょ?」
「もう!お姉ちゃんは心配性だなあ。ココロ子どもじゃないんだよ?」
全てが元通りにはならない。
二人はもう壊れてしまったから。
「そうね?ふふっ。ほら、そんな必死に食べなくても誰も盗らないわよ?」
「わかってるって!あ、これ!お姉ちゃんにあげる!」
「なに?あぶっ!」
ココロはキズナの鼻の穴に布のようなものの集まりを詰める。
「なに?これ?く、クサい……」
「私のぱんつの切れはしだよ?うん筋の所だけ集めたの!どう?鼻で息してみてよ!」
「すぅぅぅ、はぁぁぁ。クサッ!すごいわね!ココロの臭いがする!」
「そうでしょ?へへっ!ずっと入れててね?」
「田島様が取るまでね?」
「もう!お姉ちゃんったらいっつも田島先輩ばっか贔屓して!私と先輩どっちが大切なの!?」
「どっちって……」
「……へへっ。うそうそ!冗談だよ!それでも毎日来てくれるしね!」
「もう!本気で焦ったわよ!」
「ラブラブですなぁ」
「やめてよ!私達そんなんじゃないんだから!」
「そうだよね?おもちゃだし」
「そうよ?私は田島様のおもちゃなんだから。あ、もうこんな時間?」
「えぇ?もう行っちゃうの?」
「今日はバイトに行く日だからね?」
「そっか……じゃあ我がまま言っちゃダメだね……」
「そんな顔しないの」
「うん、ココロの為に頑張ってくれてるんだもんね?」
「お姉ちゃんに任せなさい?ね?」
「うん!頑張って稼いできてね?」
「えぇ、また夜にね?それじゃあ」
廃病院を去っていったキズナは、近所の飼い犬の所に行くのだろう。
最近このあたりで噂になっている変態の話は有名だ。
犬に向かって全裸で腰を振って踊る変態の話。
そのまま犬とセックスして、最後になぜか小屋の中から犬の玩具を盗んでいくらしい。
キズナの部屋であるココロの隣の病室には、いっぱいになった犬の玩具がごろごろ落ちている。
キズナはココロの治療費の為に働いているそうだ。
私は別にあの後なんらかの力を使ったわけではない。
二人はただ壊れてしまっただけだ。
完全に……。
と言っても、元々壊れていたんだ。
ココロだけでは無い、キズナも私が管理すべき対象だった。
キズナは妹の世話をする自分に酔っていた。
全てを捨てて妹に全てを捧げる、可哀そうで立派な自分を必死に守っていた。
無意識の中で、もう治らないと言われてもなお、寝ている妹の感覚の無い足を毎日殴るほどに。
一度完全に壊れたものは治らない。
奇跡でも起こらない限り。
じゃあ中途半端に壊れるより、いっそこれ以上ないぐらい壊れればいい。
二人は壊れることで通じ合った。
仲のよい姉妹は、お互いへの憎悪を胸に秘め、それを愛として表現する。
もう壊れた自分を取り繕うようなことはしなくていい。
完全に壊れたものに、守るものなんて無いんだから。
あぁ、そう言えば私なら治せるんだったか。
この力を使えば。
あの男ならそうしたのだろうな。
この芸術を理解出来ない哀れな男なら……。