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幸せの扉

新作でぇす。
特に何も考えずに書きました。
催眠ではなくてお薬です。
ちなちな、知識低下もんでもあります。
ではいつもの様に【続きから読む】からどうぞ!
 なんでもできた。勉強だって運動だって、人並み以上に出来た。
 友達もいっぱいいた。皆可愛いって言ってくれるし、慕ってくれていた。
「紫穂ちゃんは偉いわね」
「紫穂ちゃん、勉強教えて?」
「紫穂ちゃんは私のチーム入ってよぉ」
「紫穂ちゃん僕と一緒に帰ろうよ」
「紫穂ちゃん……」
「紫穂ちゃん……」
 皆私が大好きで、私もそんな私が好きだった。中学生になったら皆とはお別れして、県外の偏差値の高い所へ行く。でもきっとそこでも、私は一番になれるだろう。
 私は信じていた。私の人生はこのまま真直ぐ幸せに繋がっていて、私が望めばどんなものにでもなれると。

「今までにあまり症例がない。なんとか薬で抑える事は出来そうですが、ある程度の副作用は覚悟してもらわないと……」
 なにを言っているのか分からなかった。ただの風邪だと思っていつものお医者さんへ行ったのに、大きな病院へ移れって言われた。その後は気が付いたら色んな検査をされて、そして……。
「娘は!娘は治るんですか!?」
「完治は……難しいかもしれません……。それに例え完治した所で、副作用の効果は残ります」
 お医者さんがあまりにも淡々と告げるので、私は嘘を言っているんだと思った。それは私じゃなくてもっと他の人の話で、本当はただの風邪なんだって。
「とりあえず、しばらくはもっと詳しい検査の為に入院を……」
 病室に寝かされ、言われるままに検査を受け、一週間が経った頃、ようやく私は事態を受け入れ始めた。
「ママ……私って……死ぬの……?」
 優しく笑って首を振る。ママは痩せた、どっちかと言うとママの方が死にそうだ。
「あなたは頭の良い子だから、隠さずに全部説明するわね……」
 病気自体にそこまでの危険性は無く、たまに起こるであろう発作と定期的な投薬にさえ耐えれば、充分に長く生きることは出来るらしい。今まで通り学校に行くことも出来るし、大人になって子供を産むことだってちゃんと出来る。遺伝する病気じゃないから大丈夫だとも言われた。
「じゃあ……大丈夫なの……?」
 それならママは、なんでそんな悲しそうな顔をするの?どうしてパパはお見舞いに来ないの?
「お薬には副作用があってね……」
 それは私の全てを奪うと言っても過言じゃない物だった。それでも、それでも生きて欲しいと言われた。
「私、学校辞めたい……」
 そんな姿、友達に見られたくない。外にだって出たくない。ここでなら、病院や家でなら、私は耐えられる。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
 ママは何度も謝った。何度も何度も、泣きながら。しばらくしてパパが来た。ママよりも疲れているみたいだった。
「紫穂……パパを怨んでくれても構わない……」
 パパは私に辛い現実を隠さずに教えてくれた。だからパパにも、ママにも、悪くないよって言ってあげた。
「パパとママが悪いんじゃない。私だって……悪くないよね?」
「もちろんだ!」
「そんな訳ないじゃない!」
「じゃあ誰も悪くないんだよ。病院の人だって、それが必要だから言っているんだよね?」
 二人はなにも言わない。私もそれ以上は喋らなかった。その後、医院長先生と主治医の先生、そしてなんだか分からない大人の人が沢山来た。何度も説明されて、いっぱい書類にサインさせられた。パパもママも、私も。
 一つハンコを押すごとに、パパは潰れそうな声で泣いた。書類に目を通していたママが、何度も席を立った。私はそれを見て、まだどこか他人事の様な気がしていた。



 退院してから初めての学校。登校する他の生徒に混じって歩く私は、この世で一人ぼっちになった気分だった。……本当は学校なんて行きたくない。
「あぁ!紫穂ちゃんだ!」
「紫穂ちゃん!久しぶり!」
「なんだよ中戸!ずる休みか!?」
「えへへ!そうだよぉ?」
「ウソウソ!私病気だったって先生に聞いたよ?」
「大丈夫?」
「うん、もう大丈夫。ねっ!ドッヂボールしよ!ずっとベッドで寝てたから動きたくって!」
「よし!中戸の歓迎ドッヂだ!接待はしねえぜ!?」
「ははっ!鈍っててもあんたのボールなんて当たんないよ!」
 当たり前の様に受け入れてくれる友達。これから全部失うって分かってるのに、それがどうしようもなく輝いて見えた。

「ここまでの漢字、全部小テストにして出すから覚えとけよ」
 授業中、私はノートを取りながらも怯えていた。いつ発作が来るか分からない。そしてそうなったら私は……。
「……え?」
「お、おいおい……」
 なんだか教室が急に騒がしくなった。
「ちょっ!?紫穂ちゃん!?」
「うわっ!汚え!」
「こいつ小便漏らしやがった!」
 なに?なんの事言っているの?私は分かっていたはずなのに、皆の反応を受け止められない。
「先生!私紫穂ちゃん保健室に連れて行きます!」
「私も!だ、大丈夫?立てる?」
 仲の良い友達が駆け寄って来る。私の椅子の周りにはいつの間にか水たまりが出来ていた。気付く事さえできないのだ、今の私は。
「あ……ご、ごめんなさい……」
 クラスの子たちが私を見て笑っている。もう六年生なのに、私は教室でお漏らしをしたのだ。
「お前ら!静かにしろ!」
 先生が怒っている。水たまりはそのまま放置されていた。意識したらパンツもスカートもビチョビチョに濡れていて気持ち悪い。頭が真っ白になる。私、私は……。



「どういう事ですか!?なぜ娘がそんなモルモットみたいな!」
「必要な事なんです」
 パパが大声で怒鳴っている。スーツを着た男の人は、無表情に書類へサインを促すだけ。こんなのが何回も続いた。
 私の病気は今まで症例があまりない奇病だった。そしてその症状を緩和させる薬を作ることが出来るのは、外国にある病院だけ。保険適用外の薬らしく値段は高い。しかもその薬でさえ充分ではないので、私のデータを取りながら新薬を調合しないと駄目らしい。
 その新薬を開発する費用はとてつもない金額であり、症例が少ない病気に出すには躊躇われる程であったらしい。もちろんパパが借金しても駄目なぐらいの金額。本来なら見捨てられる命、でも彼らは私たちにある条件を飲めば新薬の完成を約束すると言ってくれた。
「だからって……だからってなんで娘がそんな見世物みたいに!」
「パパ……パパも言っていたでしょ?生きる為だよ……」
「紫穂……」
 生きる為には仕方が無かった。危険性の少ない病気とは言え、新薬が完成しないのであればその限りでは無い。このままではいつか死んでしまうかもしれないのだ。
「では、この書類にサインを……」
 私に出された条件はどれも私の心を壊すに値する物だった。どんなに病状が悪化しても今まで通り普通に生活する事。関係者以外に病気の事を他言しない事。日常の活動は全て監視が付き、映像として保存される事。そして病気にまつわる周辺症状の解決に関係者が係わらない事。
 ここで言う関係者とは、両親や病院の人たち。ようするに私は今後、自分の病気を理解してくれる人の助けを借りずに、この病気と闘いながら生活しないといけない。



 濡れたパンツとスカートはバケツに入れられて保健の先生が持っていった。私は予備のパンツと体育の短パンを履き、保健室のベッドで一人泣いていた。
 病気の影響で私は排泄を我慢出来ない。それと同時に排泄の感覚も無くなってしまった。気が付くとパンツが汚れ、シーツを交換するなんてことはよくある。それでも私はオムツを履く事すら許されず、あくまで普通に過ごさないといけない。
「中戸さん、洗っておいた服ここに置いておくわね?」
 保健の先生は戻ってくると、ビニールに入った下着とスカートをベッドの横にある台の上に置いた。
「もう今日は帰っちゃう?先生はそれでもいいと思うな」
 親身になって話を聞いてくれた。でもそれはあくまで教室でお漏らしをした上級生への対応だ。気にしなくていい、そういう事もある。何度も言われたが心には響かない。だって先生は私の病気の事を知らないから。
「すいません、授業に戻らないと……」
 ここで帰るわけにはいかない。どこからか監視されている以上、勝手に帰る事はルールを破る事に等しい。
「あ……」
 布団を捲って立ち上がった時、先生の声が漏れた。私は背筋が凍るような感覚に襲われ、恐る恐る振り向いた。
「な、なんでよ……」
 シーツは私の便でグチョグチョに汚れ、気付いた瞬間悪臭が鼻を突く。せっかく着替えたパンツも短パンも汚した私は、先生が持ってきてくれた濡れたタオルでお尻を拭き、保健室に置いてある予備の下着と短パンに着替える事になった。
「ごめんなさいね……」
 先生が謝っているのは私が今履いている下着の事だ。本来なら下級生用なのだろう。バックプリントでこそないが、綿百%の下着は明らかに子供向けであり、サイズも少し窮屈だった。
 先生が謝ることなんて無い。私が悪いんだから。こんなパンツしか履かない下級生しかしないような事を、私はしでかしたんだ。
「せんせー!怪我したー!」
 その時、騒がしい声と共に同級生の男子が保健室に入ってくる。すでに私は着替え終わり、シーツも取り換えている。この子はクラスも違うし、さっきの教室の事もまだ知らないはずだ。なんの問題も無い。
「うえええ!臭えええ!なんだぁ!?ウンコの臭いがする!」
「っ!?」
 下を向いて唇を噛みしめる。身体の震えが止まらない。
「ちょ!外出てなさい!絆創膏あげるから!」
「ええ!?消毒してくれよ!あ、でも……こんな臭い所で消毒したらばい菌入りそうで嫌だな」
 その言葉が私の心を傷つけているとも知らず、その男子は笑いながら先生に消毒をせがんでいる。
「お、中戸もいたのか。よくこんな臭い所にいられるな。下級生がウンコでも漏らしたのかも。お前も早く出た方がいいぜ?ウンコ臭くなっちまう!はひゃひゃ!」
 ウンコ臭いのは私だよ。先生だって、気付かないふりをしてくれてるだけで、さっきからこの悪臭に何度か顔をしかめている。私のせいだ。私の……。
「教室に戻ります」
「ちょっと!中戸さん!待って!」
 ここで泣いたら二度と立ち上がれない気がした。だから私は歩いて行く。教室に入るには少し時間が掛かったが、扉を開けてからはすぐだった。真直ぐ席へ移動して座る。誰もなにも言わない。先生さえもしばらく無言だった。
「え、えっと……この問題分かるやついるか?」
 机に突っ伏して寝た振りをする。出そうになる涙を何度も堪える。隣の席の男子が他の男子と面白そうに私の噂をしている。ワザと聞こえるように言っているのだろう。
「あいつ短パンだぜ?」
「漏らしたんだから仕方ないだろ?きひひ!」
「六年にもなってお漏らしとかなんなの?」
「てかあいつなんか臭くない?ウンコの臭いするんだけど……」
 本当に寝てしまおう。そうしたらなにも聞こえない。授業に出ている限り文句を言われることは無い。
「先生!あいつら五月蠅いんだけど!」
「そうだよ!授業中だよ!?」
「静かに出来ないなら出て行ってよ!」
 クラスの女子たちが私の隣の席の男子を注意し始めた。先生も男子を怒る。確信には触れない。皆の優しさが伝わってくるが、出来ればもうその話はしないで欲しい。
「わ、分かったよ……」
「中戸、ごめん……ふざけ過ぎた……」
「あなたも謝りなよ!」
「中戸さんごめん……」
 私に謝るな。もう私の話はするな。なんで放って置いてくれないの……。
 結局私はその日寝たふりを貫いた。授業の合間に何度もトイレに行った。もう二度と漏らさないように。そして放課後は誰にも挨拶せずに帰った。



「いらっさーせー」
 帰り道、私は普段ならしない寄り道をしていた。見かけるコンビニ全てに立ち寄り、トイレを借りる。なにも出ない時の方が多い。でも、外で漏らす方が嫌なのだ。
 下だけ体操服なのは格好悪いので、先生に言って上下体操服で帰ってもいい許可を貰った。少し目立つがあれよりはマシだ。
 保健室で貰った予備のパンツは少しだけ湿っている。少しだけ出てしまっていたようだ。替えも無いので仕方なくそのまま履きなおしてトイレを出る。お金は持ってきてないので、なにも買うことは出来ない。少し申し訳ない気持ちになりながら、私は店内を歩いて外へ向かう。
「うっ……」
 雑誌コーナーの隣を歩いていた時、急に胸が大きく高鳴った。焦る、こんな場所で?最悪のタイミングだ。こんな事なら寄り道なんてせずに真直ぐ帰っていれば……。
 後悔しても遅い。いつ起こるか分からないから発作なんだ。不用意に歩き回った私が悪い。でも嫌だ。こんな場所で、あんなこと……。
「うひぃぃぃ!」
 甲高い声を上げて私はその場に倒れ込む。驚いた店員が駆け寄ってきた。
「き!君!?大丈夫!?」
 大人しそうなお兄さんは驚いて私の肩を揺する。
「あ、あぁ……んっ!はぁ……」
 その心配そうな顔は私を見て固まった。赤く染めた頬、両太ももを擦り合わせモジモジする私。呼吸は荒く、瞳は潤んでいる。
「な、なにしてるの?」
 お兄さんは気付いてしまったようだ。私がなんで倒れたか。駄目だ、頭がボーっとしてきた。早く薬を飲まなきゃ駄目なのに。
「んふぅ!ま、また……逝っちゃう……んぁぁ……」
「い、いくって?なに?」
「はぁ、はぁはぁ……」
 お股を触りなくて仕方ない。気持ちいいので頭がいっぱいになる。お兄さんが見てるのに、他のお客さんも私の事見てる……。
「あぁ、んぁ……気持ちいい……ひぁ!こ、ここ触ると気持ちいいの……」
「こ、こっち来て!」
 私はすぐにお兄さんに引っ張られ、無理矢理立ち上がらされた。そのままバックヤードに連れていかれる。
「ん?なんだなんだ?」
 もう一人の店員が急に入ってきた私を見て驚いている。しかしすぐに顔つきが変わる。
「……万引きか?」
「ち、違うって!多分この子……」
「ん、んんぅ……」
 歩きながらも、そして今もお股に手を当てて刺激し続ける私を見て、二人の顔が困惑から解放されていく。
「こいつまさか、オナニーしてんのか?」
「行き成り大声上げたと思って見てみたらこの感じだよ」
「他の客は?」
「あ、もういないみたい」
 私を値踏みするように見る二人。あぁ、見られてる。お股触ってる所見られてる。
「ランドセルって事は……」
「これやばいよね?」
「あぁ?こいつが勝手にやってるだけだろ?」
「でもこんな所に連れ込んで……」
「おいおい、店の中でそんなことやられたら当たり前だろ?」
 話しながらも私の顔を、そして身体をしっかりと見てる。
「お前なにするつもりだよ……」
「お前こそ、連れ込んでなにするつもりだったんだ?」
「なにって……」
 二人の顔が歪む。知ってる、これは私に欲情している顔だ。
「ねえお嬢ちゃん、なにやってるの?」
「お、オナニーだよ?紫穂ね?どこでも発情しちゃう変態さんなの……んぁ!あぁ、あはは……」
 気持ちいい、見られながらするのってこんなに気持ちいいの?
「すっげぇ、こんなガキが……」
「おい、撮影は拙いんじゃ……」
「ヤバかったら消せばいいだろ?」
「そ、そうか?じゃあ俺も……」
 二人の携帯が私に向けられる。短パンの上からお股をクニクニしている所を、涎を垂らして感じている顔を、全部撮られている。更には体操服のゼッケンで名前もフルネームでバレてしまっている。
「み、見てぇ……紫穂のオナニー見てぇ?」
「うんうん!見てる見てる!」
「おっぱいもこんなに……んんんっ!」
 体操服の上着を脱ぎ捨て、最近付け始めたスポーツブラも取ってしまった。露出する乳首を指で捏ねながら、だらしなく舌を突き出す私を見て、お兄さんたちは鼻息を荒くしている。
「直接!直接触りたいのぉ!」
 腰を前後に振りながら狂ったように叫ぶ。そんな私を見てお兄さんが笑う。
「ははっ……こいつ本物じゃん?おい、触りたいなら全部脱げよ」
 馬鹿にされたような話し方。上から目線の命令。普段ならいくら年上でも許せないのに、なんでそれがこんなに心地いいのか。
「はいっ!変態小学生の紫穂は、お股触りたいので全裸になります!」
 媚びる様にチラチラとお兄さんを見ながら、私は短パンとパンツを脱いで全裸になった。病院の人以外の男の人に裸を見られるのは初めてだ。こんなに気持ちいいんだ。
「す、すげえ……」
「ガキでもこんなに濡れるもんか?」
「エッチなお汁垂れ流しててごめんなさい!」
 私はよく見えるようにその場で四つん這いになり、お尻を付き出してお股の穴を指で広げる。
「紫穂お股クニクニしてるとエッチなお汁いっぱい出ちゃうの!」
「お股じゃねえ、マンコって言え」
「ま、マンコ?」
 なぜだか知らないが卑猥な言葉に思えた。でもそれが、更に私を興奮させる。
「マンコ、マンコ気持ちいいの!んぁぁぁ!んひぃ!」
 指で刺激しながら、お尻の穴まで丸出しにしてお汁を飛ばす。頭の中がどんどん真っ白になっていく。
「逝くぅ!逝っちゃうううう!んんん!んはぁぁぁ!」
「おい、俺もう我慢出来ない!」
「お、俺もだ……」
 頭の中を今まで感じた事の無い快感が駆け抜ける。一人でやってる時とは大違いだ。人に見られながらやるとこんなに気持ちいいのか。ビクビクと痙攣しながら余韻を感じていると、お兄さんたちがズボンを脱いで笑っていた。
「もういいよな?」
「あぁ、順番だぞ?」
 犯される?あぁ……このままじゃ……。徐々に頭が冴えていく。一度逝って落ち着いたのか。私はゆっくりと立ち上がり、肩で息をしながらランドセルに付いた巾着を開ける。
「お、なんだ?」
「薬?」
 水が無く手も飲めるこの薬は、私の発作を止める特効薬。効き目は抜群で即効性も高い。
「なあ、そんな事よりさ?」
「俺たちと……」
 頭の中の霧が晴れていく。しかしそれと同時になにかを失っていく喪失感が私を襲う。
「う、うぅ……」
 吐き気がする、眩暈がする。それ程に強いこの薬は、私の発作を止めるのと引き換えに、確実に私の身体を蝕んでいく。
「……大丈夫か?」
 落ちていた服を拾い集め、一つずつ着なおしていく。店員が私を止めることは無い。
「その動画消してください」
 着替えを終えた私は強い視線を浴びせる。
「え?あ、あぁ……」
「早くっ!」
 私の剣幕に押され、店員達は私の見ている前で動画を消した。
「ご迷惑おかけしました……」
 深々と頭を下げてバックヤードを出る。二人は私の後を追って店内へ移動したが、お客がいるのを見てそれ以上ついて来ることは無かった。
 いつ来るか分からない発作により、私の身体は強制的に絶頂する。薬を飲まなければそのまま発情して何度も快感を貪ろうとするのだ。これを止めるには、誰かに薬を飲ませて貰うか、冷静になった瞬間に快感と戦いながら自分で薬を飲むしかない。
 そしてこの薬こそ、私を悩ませる一番の劇薬。私の全てを奪いかねない毒薬だ。



「お、おはよう……」
 私が再登校を果たしてからもう一か月が過ぎた。弱々しく挨拶をする私に気さくに返事を返す者はいない。
「お、お漏ら紫穂が来たぞ」
「おい大丈夫か?まだ漏らしてないのかぁ?」
 怒りさえ湧いてこない。私は男子の嫌味を無視して椅子へ座る。机には沢山の落書き。周りの席も私から妙な距離を置いている。
「紫穂ちゃん今日こそちゃんとオムツ履いてきたの?」
「え?い、いや……」
「はぁ!?ちゃんと履いてきてって言ってるのに!毎回掃除するの大変なんだよ!?」
 初めは味方だった女子も今では私に強く当たるようになった。それもそうだ。毎日のように教室でお漏らしをしてしまう。その度に迷惑をかけるのだから。
「仕方ないじゃん、変態なんだから……」
「マジキモい」
 それに、何度か学校でも発作を起こしている。授業中、休み時間、私は絶頂してオナニーを始めてしまう。先生にも何度も呼び出され、その時にいやらしい質問もされた。身体を触られそうにもなった。クラスの男子も私を好奇の目で見ている。
「おい中戸!今日の宿題やって来たか!?」
「え?」
 男子の一人がヘラヘラと笑いながら寄って来る。宿題、そうだ……。
「算数のプリント。お前頭いいんだから見せてくれよ」
「い、いや……」
「いいから見せろって!」
「止めて!」
 ランドセルを奪われ、中からプリントを盗られる。宿題は確かにちゃんとやってきた。やってきたが……。
「なんだこれ?見ろよ!」
「うわっ!これは無い!」
「え!?ちょっと!足し算間違ってるし!」
 皆は私のプリントを回し見て笑っている。最近クラスで流行っている遊びの一つだ。
「でもこの前の社会のテストには及ばないな!」
「大統領の事お殿様って書いたんだっけ?」
「しかもひらがな!頭おかしいだろ!」
「いやいや!理科のあれには負けるって!」
「おしべ?」
「ぷはははは!止めろって!あれは反則!」
「ちょっと男子下品!」
「いやいや!下品なのはこいつだろ!?」
「なあ中戸、なんて書いたんだっけ?」
 皆が笑いながら私の答えを期待する。私はそれのなにが間違っているのか、いやなにがおかしいのかも分からないというのに……。
「ザーメン……」
「やっ!止めて!けへへ!」
「お前面白すぎ!」
「てかなんで合ってるのに笑われてんの?みたいな顔してんの!?きゃはは!」
 発作を止める薬には恐ろしい副作用がある。あの薬は私の脳をどんどん蝕んでいくのだ。要は飲めば飲むほど頭が悪くなる。それに筋肉の動きも悪くさせるので、運動どころか日常生活でも転ぶ事が多くなった。
「お!おいおい!こいつまた漏らしたぞ!」
「うげええ!おい!ちゃんと拭いてからトイレ行けよ!?」
 私は顔に雑巾を投げつけられる。私専用の雑巾だ。お漏らしを拭くための雑巾なので、男子は汚い物を持つような手で触っていた。
「うわあああ!中戸菌がうつるううう!」
「おお!近づくな!」
「タッチ!」
「うおお!バリア!バリアしてた!」
「中戸菌はバリアなんて効きませーん!」
 楽しそうに笑う男子を横目に、私はスカートとパンツが濡れたまま床を拭いていく。もう感覚が麻痺してしまっているのか、素手で汚い雑巾を持って尿を吸っていく。
「だからオムツ履いてこいって言ってるのに」
「こいつ頭悪いんだから仕方ないじゃん?」
 女子も手伝ってはくれない。先生がいる時だけは、嫌々やってくれるけど……。
 バケツの中に溜まったオシッコと雑巾を持って、濡れたスカートのまま廊下を歩く。他のクラスの生徒が私を見て笑っている。もう私の噂は学校中に広がっているから。
「女子トイレ入んなよな……」
「汚い物持って入らないでよ……てか臭い……」
 私は震えながらスカートを洗う。女子トイレの洗面所で洗うと怒られるので、最近は着替えてからバケツに入れ、校庭にある人気の無い水道で洗うようにしている。
「お、ホントにパンツ洗ってる!」
「おいおい!聞こえるって!」
 他のクラスの男子が見に来たようだ。私は恥ずかしくなって洗っていたパンツを乱暴にビニールに放り込み、その場から走り去った。



 こんな生活もう嫌だ。死んでしまいたい。何度もそう思った。でも、気丈に振る舞い昔と変わらない笑顔で私を包み込んでくれる両親の為にも、私は生きていかなくてはいけないのだ。
 いつか新薬が完成したら、もうこれ以上は頭が悪くなることは無いらしい。でも、その時までに取り返しがつかないぐらい頭が悪くなってしまっていたら?歩けないぐらいに筋力が弱ったら?
 いつだって言いしれない恐怖と戦っている。いつくるか分からない発作、誰も助けてくれない環境。それでも私は生きないといけない。なんで……なんでなの……?



「ん……んぁぁぁ!お、おほぉぉ……」
 私をジッと見ている男性は、スーツを着たパパよりも年上の人。突然絶頂した私に驚いたのは少しの間だった。
「き、君……いくら?」
 気が付けば私は派手な部屋に連れ込まれていた。おじさんは気安く私の肩に手を置いている。
「ほ、本当にただでいいの?」
「んん!はぁ、はぁ……いいよ?気持ちよくしてくれる?」
 車で移動している時も、私はずっとマンコを弄っていた。おじさんは運転しながら私の事をエッチな目でずっと見ていた。
「こ、こんな事しても?」
「んぁ……ち、乳首弱いからダメぇ……」
 服の上から乳首をコリコリされる。ブラは車の中で外してしまっていた。
「これも気持ちいいでしょ?」
「んほおお!強く潰しちゃ!んっ!んんんっ!ひっぱちゃダメぇぇ!」
 羽交締めのような形で私を抱き、乳首を摘ままれて引っ張られる。お尻に大きくなったチンポが当たっている。
「ほら、僕がマンコ触ってあげるから、紫穂ちゃんはおじさんのチンポ触ってね?」
「うん、あぁ!き、気持ちいい……」
 扉に入ってすぐ。まだ荷物も置いてないのに私たちは立ったままお互いを愛撫する。
「おっきい……」
「後でこれが紫穂ちゃんのマンコに入るんだよ?」
「ひぁ!あぁ、んん……入るかなぁ?」
「入るよ!ふほほっ!」
 服が破れる程乱暴に裸にされ、ベッドに放り込まれる。大きくなったおじさんのチンポを、大股開いて歓迎した。
「きてえええ!紫穂のマンコにぶっさしてええ!」
「げへへ!えへへへへ!」
 汗でベトベトな身体を押し付けられ、窒息しそうな重さに耐えながらチンポを受け入れる。
「ううう!んんはああ!や!破れてりゅううう!」
「あはは!千穂ちゃんの処女膜破れちゃったね!」
「あはっ!えへへへ!千穂の処女膜おじさんにあげちゃったぁ!」
 狂ったような快感。今まで以上のそれに、私の理性が元に戻ることは無い。
「んおおお!おおおお!」
「ハハハ!凄い顔だよ!?ほら!もっとケツ振れ!」
「んひいいい!お尻叩いちゃらめええ!また気持ちよくなっちゃううう!」
 いつしか私はおじさんの上に乗り、自ら腰を振っていた。どこが一番気持ちいいのか確かめるように、何度も何度もおじさんのチンポを咥える。
「はぁ、はぁぁぁ……」
「よし、待てだ。いいぞ?ふひひ!」
 目の前のチンポに舌を突き出し、犬のチンチンのポーズで待機する。マンコからは精子が流れ、おじさんの汚い足で愛撫されている。
「よし!おおお!がっつくながっつくな!」
「んふううう!じゅるる!じゅるっ!プポッ!レロレロ!じゅじゅじゅじゅ!」
 何度も仕込まれたフェラは、おじさんを満足させられる程になっていた。それだけじゃない、色々な事を覚えさせられた。
「ほら、しっかり愛情込めて揉み揉みしろよ?」
「はぁーい!キンタマ揉み揉み、キンタマ揉み揉み」
「よし、ケツ穴舐めて良し!」
「ありがとうございます!中戸紫穂12歳!キンタマ揉み揉みしながらウンコ味のケツ穴舐めまわします!レロレロレロ!ジュジュ!」
 どんなことでも気持ちよく感じてしまう。何度か薬を飲むことを思い出したが、その度に欲望に負けている自分がいる。
 あれからどれぐらい経っただろう。何日か家に帰っていない気がする。
「この薬はなんだ?紫穂ちゃん風邪かなんかだったの?」
「飲ませてぇ?えへへ!」
「大丈夫なのか……?ほれ……」
 偶然飲めた薬によって私は正気を取り戻し、その場から走って逃げた。知らない場所だったからタクシーを捕まえた。その時私が着ていたのはマイクロビキニ。何度か変な場所に連れていかれそうになったが、警察に絶対に言うと脅して家に連れて帰ってもらった。
「し、紫穂……?」
 ママは私を抱いて泣いた。でも私ちょっとだけ思っちゃったんだ。あのまま気持ちいい事だけしてれば、私は薬を飲まないで済む。これ以上頭が悪くなることも無かったんじゃないかって……。



「みんなおっはよー!」
「お、紫穂が来たぞ!」
「おい!お前の挨拶はそうじゃないだろ?」
「あ!そうだった!てへへ!おっぱいよーん!」
 上着を捲っておっぱいを丸出しにした。皆が笑ってる。女の子にお尻を蹴られたから今度はスカートを捲ってパンツを見せる。
「お尻真っ赤になってませんかぁ?」
「そのままじゃ見えねえよ!バーカ!」
「こうだろ!?うりゃ!」
 男子にパンツをズラされてお尻が丸出しになる。また笑ってくれた。
「ブリブリいいい!ブリブリいいい!」
「もっと振れ!はははっ!」
「知ってるか!?こいつってAV出てるんだぜ!?」
「あ!それ知ってる!兄ちゃんが言ってた!」
「家でトイレする所とか、お風呂も全部撮られてんだろ!?」
「デブのオヤジとセックスしてるやつもあるんだって!」
 楽しいなぁ。勉強は全然分かんないし、ドジだからすぐに転んで怪我ばっかりするけど、それでも毎日が楽しくて仕方ない。
「ねえ紫穂、あんたノルマ達成できたの?」
「のるまぁ?あ!はぁーい!これだよね?」
 ランドセルの中から大量のコンドームを出す。
「うげ!出さなくていいって!」
「いやいや、せっかくだからこの場で飲んでもらおうよ!」
 お友達に頼まれて、土手に暮らしてるおじさん達からザーメンを貰って来たのだ。気持ちいい事もいっぱいしてもらった。
「よし、このバケツに入れろよ!」
「ははっ!それそいつのお漏らし用バケツだっての!」
「ここでいいのぉ?」
「うわ!こいつマジでやんの!?」
「汚ぇ……」
 バケツの中に大量のザーメンを入れる。これを飲めばいいのかな?私は顔を突っ込んでザーメンをすすっていく。
「ずるる!ジュルっ!んぱぁ!おいひいいい!」
「顔ヤバいって!薬やってんのか!?」
「んで飲んだそばから漏らしてんじゃねえよ!バーカ!」
「ごめんなひゃーい!」
「うわ!こいつオナニー始めやがった!」
「ギャハハ!最高!」
 皆が笑ってくれる。ママもパパも優しくしてくれる。街の人達も私に気持ちいい事いっぱいしてくれる。私は幸せだ、幸せ……。
「おい!謝れ!いつもみたいに謝れよ!」
「はぁーい!」
 口の周りどころか顔全体にザーメンが付着し、半裸のままオシッコを漏らした私は、がに股になって両手を顔の横に持ってきてピースをした。
「生きててごめんなさあああい!あへへ!あへっ!あへへへ!」
 今日も私の楽しい一日が始まる。
[ 2015/10/17 02:18 ] 小説 | TB(0) | CM(1)

新作面白く...いや、恐ろしく読みました。知能低下ジャンルで女主人公視点は怖いです。「和田葵」のようなものは序盤に主人公視点だったので、後半に慣れていたのです。
[ 2015/10/23 18:54 ] [ 編集 ]

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