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メリークリスマス

メリークリスマス
仕事終わり、終電に乗り込みやっとの事で自宅の最寄駅に到着。早く帰って妻の手料理を食べたいと思い足早に歩く。そういえば世間はクリスマスか。たまには妻にプレゼントの一つでも買ってやればよかった。
「もっと腰振れって!ははっ!」
公園から子供達がはしゃぐ声が聞こえる。夜も遅いのに元気な事だ。高校生ぐらいだろうか、髪を染めた少年達が、楽しそうに笑っている。タバコを吸っている者もいるようだ。一瞬大人として注意をしなければと頭を過ぎったが、余計なトラブルを自ら招くほど私は若くなかった。
「お、次のお客さんだぞ!行け!」
少年達は私の存在に気付いたのか、何か指差しながら言っている。関わりを持ちたくない私はすぐに場を去ろうと思ったのだが、後ろから奇妙なものが走ってきた。
「んふううう!ふううう!」
「なっ!?」
裸の女性だった。いや、これを裸と言っていいのか。卑猥な落書きが書かれた肌は確かに露出しているが、辛うじて水着のようなものは着けている。しかしそれも極小の布であり、片方の胸は隠すべき物を隠せておらず、下に関しては木の枝が数本刺さっていて卑猥な部分が見えてしまっている。
「あ、あぁ……」
面食らった私は言葉を発することもできない。顔には自分の物と思われる下着を被っていて、その上から口にバイブを入れている。髪は妻と同じぐらい長く、目元もはっきりして美人だと思われるが、すでに見られたものじゃない。
「んほおおお!んんんっ!」
両足を大きく広げ、恥ずかしげもなく両手も上げてリズム良く飛び跳ねる彼女。後ろではそれを指示したと思われる少年達が笑っている。
「おい涼子!大砲用意!」
一瞬胸がキュッと締め付けられた。しかし私が何かを考える前に、目の前の女性は機敏な動きで私に臀部を向けて四つん這いになった。
「はっしゃー!」
そして少年の号令の元、女性はその場で脱糞した。心なしか、呻き声が泣いているように聞こえた気がした。
「届いてねぇ!きゃはは!」
「後処理だ!早くしろ!糞便器!」
展開について行けなかった私をよそに、女性はさっき出した排泄物を、下着の上から食べ始めた。少年達の手拍子に合わせて尻を振りながら、クチャクチャと音を立てて。
「よし、帰ってこい」
少年達にそう言われた女性は、四つん這いのまま急いで公園に入っていった。

なんだったんだと思いながらも、逃げるようにその場を後にした。公園の方からは、未だに楽しそうな笑い声が響いている。家の前まで辿り着いたが、扉を開ける勇気が出ず、そのままタクシーを呼び駅前のホテルへ向かった。
[ 2016/12/25 22:32 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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